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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第206話:アリスの過ち
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そうね。そもそもの話、私がパヴァリアに居たのが、錬金術を医学に活かす為だったのです」
アリスのその話に、奏はそう言えば以前彼女が透の喉を治療した時にそんな事を言っていた事を思い出した。確かアリスは、錬金術を医術と交える事を研究していたと。
それはつまり、錬金術を用いて人体に手を加える事を意味する。つまりアリスは……
「義母さん、まさか……錬金術で人体実験を……!」
想像したくない予想に顔を強張らせる奏だったが、それは即座にアリスにより否定された。
「それは違います。私は飽く迄も、錬金術を用いた医術の為の研究を行っていました。ただ…………」
アリスは間違いなく錬金術を用いて人の体を癒す為の研究に没頭していた。例えば通常の医学では難しい心臓などの臓器移植や、欠損した部位の再生等である。失われた部位を錬金術により錬成し、或いは補う事で正常な人間と同じ機能を体に持たせる。そうする事で、世界から病や怪我による不公平を無くそうと言うのが彼女の目指したものであった。
だがそれは少し考え方を変えれば、容易く人体を弄り回せてしまう禁断の技術への足掛かりでもあった。アリスは当時その事に気付く事無く、また日々研究と同時進行で様々な知識を吸収している内に当初の目的を見失い研究する事が第一となってしまっていた。
結果、自分が産みだした技術がどう組織で取り扱われているかを彼女は知る事もなく只管に研究と知識の探求に明け暮れ、気付いた時には取り返しのつかない事態になっていたのだ。
「その事に気付かせてくれたのが、輝彦さんでした」
当時から1人世直しの為流浪の旅を続けていた輝彦は、ひょんな事からパヴァリアで行われている人体実験の事を知り単身組織に潜入。かねてより彼に意識を向けていたサンジェルマンに気付かれる事無く組織の内情を調べ上げ、その人体実験に使われている技術を生み出したのがアリスと知り彼は直接彼女の下を訊ねた。最初こそかなり警戒していたアリスだったが、輝彦はそんな彼女にとって衝撃の事実を突き付ける。
それこそがアリスが生み出した人体に手を加える技術が、他の錬金術師によって人体実験に用いられていると言う事実であった。勿論アリスは最初、それを輝彦の戯言と切って捨てていた。この頃彼女は組織を心酔していた為、そんな事はあり得ないと思っていたのだ。サンジェルマンを始めとして上司からの覚えも良く、可愛がられていた事もそれに拍車を掛けた。
信じようとせず剰え自分を組織に仇為す敵と排除しようとするアリスに対し、輝彦は強硬手段として彼女を人体実験が行われている現場へと連れていく。そしてそこで彼女は漸く、自分が産みだした技術が悪しき事に使われているのだと言う事を知ったのである。
当時の事を思い出し、アリスは己の未熟さ、至
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