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不可能男との約束
日常の変動
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系の自動人形とかは相手の動きを計算して、最善を選べる事が出来るのだが、それはつまり、予想外の行動には弱いという事。
そして今回の場合も似たようなものである。
常に最善を選び、仕事を完璧にこなす自動人形であるが故に些細な情報でさえ、計算してしまう。
普段ならば、その完璧さは頼もしいのだが

『言い方悪いかもし得ないけど……戦闘中だとそれはちょっと危ないねー。戦闘中って本当に予想外のアクシデントばかりだものね』

『Jud.ですが、私たちがよく思考停止してしまう原因がトーリ様の気がするのですが、気のせいでしょうか?───以上』

『え!? 俺!? やっべ、俺、もしかして自動人形たちにもてられている!?』

『呆れられてんだよ!!』

全員の息を合わせた突込みに体力を消費してしまって、また溜息を吐いてしまう。
自分は武蔵に乗ってから、どれだけの幸せを溜息に乗せて吐いてしまったのだろうか。
そして一番不幸なのはその行為をして間違っていると自分で思えない所である。

『あまり、話をしていたら時間が足りなくなってしまうので本題に入りたいと思います。つまり、今からステルス障壁を解除しますが、その間、皆さんにも見張っておいて欲しいという事です』

『成程……ですが、私の方は目よりも鼻の方が利くのですが、それでも大丈夫でしょうか?』

『大丈夫だろ、ネイト。目で駄目だったら、気配とかで読めばいいじゃねえか』

『ナチュラルにさっきから爆弾を放っているねシュウやん!』

本当だ。
彼のハイスペックさはどういう事だろうか。一度、スペックに付いて話して貰った方がいいかもしれない。
海を割ることが出来るとか言われても、驚かないかもしれない。
あ、現に三十メートルくらいなら出来るんでしたっけ? しかも、術式無しの己の力だけで。
もう数えるのに飽きた溜息を吐いたら、空に色がようやく戻り始めた。
ステルス障壁を解除しているのである。
そこで、ようやく残念な溜息ではない息を吐く。ステルス障壁が嫌とかそういうのではないのだが、やっぱり、空には青色があってこその空であると思うのである。








ステルス障壁が解除された時。
学校の廊下を歩いている、鈴もほっと息を吐いた。
ステルス障壁によって、いきなり外界の音が良く聞こえるようになるのは、昔は苦手であったが、皆のお蔭で怖くなくなったので、今では外の音が聞こえるようになるのが嬉しい事である。
そう思い、笑顔を浮かべようとして───過敏な聴覚が何かを捉えた。

え……? こ、これっ、て……!

そして、鈴は自分で出せる速さで表示枠を出して、連絡を取った。








『み、皆、あ、あの……!』

突然の鈴の行動に皆が珍しさに
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