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不可能男との約束
日常の変動
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は嬉しいのだが、明らかに良い意味で使われてはいなかったので、喜べなかった。
良い言葉と良い意味が繋がっていないとは残念な極東語である。
とりあえず、下らない思考をそっと捨てて、あのなぁ、と前置きを置いて熱田に話しかける。

「さっきも言ったようにお前はあの西国無双を倒したわけだろう?」

「斬り倒したでもいいぜ?」

「物騒にしてどうする。バトルジャンキーのお前だから釘を刺させてもらうが、恐らく、最低でも一人はお前狙いで戦いを挑んでくる人間がいる筈だ」

「まぁ、宗茂の嫁が来るだろうな」

あいつらの愛が本物ならな、と最後に付け加えながら、意外とちゃんと答える熱田。
そう言えば特務クラスとかでも、ちゃんと聖譜についての知識を勉強しなければいけなかったなと思いだし、もしかしたら一番自分が油断しているのかもしれないと思い、気をつけようと思う。
ならば、聞くことは一つだけだろう。だから、小声で葵には聞こえないようにしながら

「───戦えるか」

「何を当たり前のことを言っていやがんだ」

真面目に聞いたら、呆れきったような声が聞こえた。

おいおい、こっちはそういう何というか復讐みたいな相手でも迷わないかって気を使って聞いてやったのに、まさかの即答かよー……。

まぁ、でも、結構こう言われるとは思っていた。
馬鹿だし

「俺の疾走を邪魔すんなら、俺は迷わず斬るぜ? 大体、剣神が斬るのを躊躇っちゃあ、剣神じゃねーだろうよ」

野性味たっぷりの表情で言われ、再確認。
言葉で表せれば、熱田の信念、もしくは夢でもいいが、そういうのが既にこの時点でほぼ完成されているから、迷わないんだろうなーと正純は考えた。
もう少し、迷いを持っていた方が可愛げがあるもののと思いながら、若干、尊敬はする。
とは言っても、これからは更なる苦境が待っているだろう。
今回は突発的な戦争だったから、相手もそこまでレベルの高い武装を持ってきていなかった。これからは、聖譜顕装(テスタメンタ・アルマ)やこれから向かう英国では、今はアルマダ海戦の歴史再現の為に準備をしているはずである。
難易度が低過ぎるのも、問題と言えば問題だが、難易度が全部が全部、最高難易度になっているのもどうかな、と今日何度目かの溜息を吐きながら、御高説を続けた。








困りましたわー……

ネイト・ミトツダイラはとぼとぼと品川を歩きながら、溜息を吐いた。
あの授業の後、皆は一度解散という事で解散された。
そして、今、特務クラスは武蔵の自動人形のお願いで、武蔵の各艦にばらけて移動しているのだが、ここら辺は問題ではない。
問題はどちらかと言うと私的な部分である。

……結局、八年前のことでの謝罪を出来てませんのよー……


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