第14話
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よく伸びた。
「くくく……流石にそこまでのんびりじゃないか」
そして、サルガメはわざとらしく目をキョロキョロさせる。
「ん?さっきからアバンが見えんが……また勇者らしかぬ卑劣な手を使うのか?」
(まさか!気付かれた!?)
マトリフの動揺に、ブロキーナは眉を顰める。
「『魔法使いは遠距離から攻撃出来るから、その分視界が広い。故に、魔法使いは常にクールでなければならない』君の言葉だろ?」
ブロキーナの静かな叱責で自分を取り戻すマトリフ。
「……そうだったな。ここでの動揺は、相手側の思う壺か!?」
が、フレイザード2号は右手から吐く灼熱の炎と左手から吐くあまりの低温で凍った大気が輝くほどの猛吹雪を眼前でぶつけ合っていた。
「ま……今回ばかりはどっしり構えて長々と呪法発動準備するのが不正解で、ちょこまか動く方が正解。だから……アバンを見失うのはアバン側にとっては大正解!」
そう言いながら極大消滅呪文を放つ準備を整えるフレイザード2号。しかも、密かに極大消滅呪文の練習をしていた様で、極大消滅呪文を上だけでなく前にも撃てる様になっていた。
その様子に、マトリフは背筋を氷の様に冷やした。
(何だあの光の矢は……アレはヤバい!)
「ちゃんと動いて避けろよアバン!極大消滅呪文!」
フレイザード2号が放った極大消滅呪文が大地を抉り、巨大なクレーターを形成した。
サルガメがフレイザード2号に問う。
「当てたのか?」
その質問に首を傾げるフレイザード2号。
「さあね。アバンの姿が見えないから……適当に撃った」
呆れるサルガメ。
「適当って……」
フレイザード2号の極大消滅呪文を受けて「キレー」に消えたシドードラゴンの事を思い出してしまったゾーマズレディは、絶叫しながらある技を発動させてしまった。
「あーーーーー!凍てつく波動うぅーーーーー!」
その途端、アバンが使用していたキエサリ草の効果が「キレー」に消えてしまい、やっとアバンを発見したサルガメが舌なめずりした。
「!?」
「みーつけた♪」
その頃、大魔王バーンはアバンがウトロで何かをやろうとしているのを察してガルヴァスをギルドメイン山脈から呼び戻した。
「アバンが『凍れる時間の秘法』を使えるとは……ハドラーもそれを見抜きあえてサボリの汚名を着るとは……」
一方のガルヴァスは、フレイザード2号の極大消滅呪文の破壊力に絶句した。
(何……何々!?炎と氷が合体して、あんな化物の様な光の矢になった……どう言う原理だ!?)
大魔王バーンは卑しくも大魔王。冷静そのものであり余裕が漲っていた。
「アバンとハドラーの戦い……もっとじっくり観て視たいものだ」
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