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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第14話
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…百合に適した女性としての魅力を増幅してあらゆる女性に振り向いて貰う為のあの衣装であった。
「悪かったな。文句ならそこにいるフレイザードに言え」
つまり、ハドラーちゃんはフレイザード2号の強引を押し返し切れなかったのだ。
今まで着ていた装飾雑多なマント自体が、最早黒歴史と化した魔軍司令時代を思い出させるトラウマ的な物だったのも原因の1つではあったが……
が、アバンはその場違いな衣装へのツッコミが出来る余裕が無く、ハドラーちゃんを眼前に引き摺り出す為の挑発を必死に絞り出していた。
「獄炎の魔王が聞いて呆れますね」
が、ハドラーちゃんは聞く耳持たない。
「貴様こそこの俺をがっかりさせるな。この俺を本気で完全消滅させたくば、『凍れる時間(とき)の秘法』などと言う時間の無駄などに頼らず、あの時魅せたあの技を完成させろ!話はそれからだ」
ハドラーちゃんに図星を突かれて挑発に詰まるアバン。
(完全に見透かされたか……さて、この後どうしたら―――)
「だが!せっかくそちらが用意した決戦を空振りのまま終わらせるのは戦いの礼儀に反する。なら、せめてこいつらには勝って欲しいものだな」
それを合図にフレイザード2号が2体のモンスターを解き放った。
「デルパ」
その内の1体は、ワニの様な頭部と刃物の様な爪を有し、二足歩行する巨大な亀であった。
「俺の名はサルガメ。ハドラー様の命により、貴様等の性根を叩き直しに来た!」
なのだが……
「何だこいつ!?物凄く臭い!何食ったらここまで臭くなれるんだ!?」
だが、マトリフの苦情を余裕を持って返すサルガメ。
「ちょっとしたハンデだ。これだけ臭ければ、例え目が見えずとも探せるだろ?」
「どこがだよ……あまりの臭さで目が回り過ぎて、方向が定まらねぇよ」
一方のゾーマズレディは何も聞かされていなかったのか、予想外過ぎて大混乱。
「な!?なんだこいつれ!?こことこ!?」
ブロキーナがそんなゾーマズレディを哀れみつつ構える。
「どうやら……無理矢理連れてこられた様じゃな……よい……しょっと」

混乱するゾーマズレディは脅威ではないと判断したマトリフとブロキーナは、完全に戦闘モードになっているサルガメとフレイザード2号と対峙する。
一方のフレイザード2号は飛翔呪文(トベルーラ)で上空に回避し、サルガメは自身の尻尾を地面に突き刺し、ゾーマズレディは……まだまだ大混乱。
「まーた魔法使いタイプかよ」
飛翔呪文(トベルーラ)でフレイザード2号を追撃しようとするマトリフだったが、
「アバンの介護を放棄して良いの?」
「何?」
一方のブロキーナはサルガメに殴りかかるが、サルガメの尻尾が突然アバンがさっきまでいた場所に勢いよく生え、もしもそこにアバンがいたらアバンを切り裂いていただろうと思える程勢い
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