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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第14話
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移されたら……」
そこへハドラーちゃんがやって来て、
「最早勇者アバンに何の興味も無いか?」
「ハドラー様!」
ハドラーちゃんが玉座に座るや否や、ガンガディアが早速進言する。
「ハドラー様、今直ぐ異元扉を使って我が軍の更なる強化を!」
「そうやで。なんなら、わてがええ訓練所を紹介しまっせ」
そんな進言がハドラーちゃんを困らせる。
ハドラーちゃんはちゃんとした形でアバンの使徒達と完全決着をつけたい。でも、『もしも大魔王バーンの地上界破壊計画が成功したら』を観てしまった者達を説得するだけの材料も証拠も無い。しかも、下手な事を言えば指導者としての素質不十分と視なされて離反が増える恐れがある。
(……さて……どうしたものか……?)
そこへ、フレイザード2号が真新しい衣装に身を包んで、その手に真新しい衣装を持ってやって来た。
「ハドラーちゃーん!新しい衣装が届いたわよぉー!」
バルトスはフレイザード2号の緊張感の無さに呆れ果てた。
「フレイザード殿……今は衣装の事など―――」
が、それがかえってフレイザード2号を更に意固地にしてしまった。
「何を言ってるの!?ファッションは大事!あらゆる女性に振り向いて貰える様に―――」
その時、ハドラーちゃんの脳裏に何かが閃いた。
(ファッションが大事?それは、見た目の事を言っているのか?)
そこで、ハドラーちゃんはフレイザード2号に質問した。
「フレイザードよ、やはり見た目と言うモノはそんなに大事か?」
それに対し、フレイザード2号は張り切って反論する。
「当り前でしょうが!あらゆる女性に振り向いて貰える為の努力を怠っては女が廃る!その様な無様な女は女の恥です!」
その言葉が、先ほど見たアバンが大魔王バーンに惨敗する悪夢を粉砕するヒントだと確信した。
「アーハハハハハハ!」
突然のハドラーちゃんの高笑いに、一同困惑。
「ハドラー様!?」
だが、ハドラーちゃんは気にせず異元扉に命ずる。
「異元扉!俺の腹は決まった!」
「と、申しますと?」
「貴様が先ほど言った鍛錬三昧出来る世界とやらに連れて行け!俺が知らぬ呪文がわんさかあって……」
一瞬だけフレイザード2号と目が合ってしまったハドラーちゃんは、面倒くさそうに注文を追加した。
「百合への理解と造詣が過剰な世界を頼む」
ハドラーちゃんの命を聴いて異元扉が困惑する。
「それはええけど―――」
だが、その点もフレイザード2号のお陰で対策済みである。
「アバンは『凍れる時間(とき)の秘法』の力を借りないと、『空裂斬』は取得出来ず『アバンストラッシュ』は完成しない……だったか?」
「せや!だからアバンはんはあんさんに―――」
だが、ハドラーちゃんの言い分は異元扉の予想外なモノだった。
「アレは嘘だ」
「嘘おぉーーー
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