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牛乳を飲め
第一章

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                牛乳を飲め
 小学四年生の矢追夏美はあまり肉が好きではない、色白でやや丸顔で目は細い唇は赤く黒髪をツインテールにしている。
 肉があまり好きでないの給食ではよく残すが。
「牛乳は絶対に飲まないとね」
「駄目なのね」
「いつもお父さんとお母さんに言われてるの」
 クラスメイトでいつも一緒にいる水瀬真帆、やや茶色がかった髪の毛をショートにした小柄で大きな目で顎の形がいい彼女に答えた。
「お肉が苦手でもね」
「牛乳は飲まないと駄目だって」
「そしてね」
 そうしてというのだ。
「チーズやヨーグルトもね」
「食べないと駄目って」
「言われてるの」
「栄養があるからよね」
「そう、蛋白質があるからって」
 給食の時でその牛乳を飲みつつ話した。
「それでね」
「そうなのね」
「だから給食でも牛乳は絶対に飲んで」
 そうしてというのだ。
「チーズもヨーグルトもね」
「食べるのね」
「嫌いじゃないから」
 だからだというのだ。
「そうしていくわ、お魚も苦手だけれど」
「牛乳ね」
「こっちは飲んでいくわ」
 こう言ってだった。
 夏美は牛乳を飲んでいった、そうしていった。主に野菜や果物それに穀物と呼ばれるものを食べていたが。
 大学生になった時だ、彼女はある人に出会った。
「ええと、ヴィーガンらしいわね」
「そうね」
 小学校の時から今も一緒にいる真帆も頷いた。
「あの人は」
「やたらと命を大切に言って」
「お肉やお魚食べるなって言ってるけれど」
 キャンバス内で叫び続けている大学の講師辻本紀子を見て言った。
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