五百年分の魔力
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、全てを雪に変えた。
「……っ!」
キャスターは静かに息を吸い込む。
パピヨンを突き出し、フロストノヴァと同一斜線上に配置した。
「それともう一つ」
キャスターの魔導書が開く。
彼女のページに描かれた紋章は、一目でビーストにも認識できるものだった。
その紋章は、ムー。
超古代文明、ムーの紋章より鈍い光が放たれる。
光はキャスターの背後に集約されていき、やがてそこには巨人の姿が現れる。
「私の魔力の貯蔵は十二分に残っている」
「あれは……!」
その姿に、ビーストは邪神イリスに続いてまたしても戦慄する。
邪神イリスに匹敵する、見滝原を襲った最大の敵の一つ。
「ラ・ムー……ッ!」
見滝原を襲った超古代文明の中心、ラ・ムー。
キャスターの魔力により再現された電波神、ラ・ムーが、その頭部を変形させ、脳天に設置されている砲台をビーストたち全員へ向けている。
「この場の参加者全員を葬るには十分な量だ」
「嘘だろ……っ!」
ラ・ムーのあの変形は覚えている。
あの一撃に、ムーの祭壇ごと破壊されたのだ。
そして放たれる、ムーの雷。
だが。
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
ビースト、フロストノヴァ、パピヨンの前に躍り出る響。
太く眩い光線へ拳を放つのと同時に、彼女の姿が爆発により見えなくなっていく。
「響!」
「ほう……感謝するぞランサー。奴の攻撃の代償となってくれたわけだ……ならば、今度こそ」
「もうやめて……」
意気込むパピヨンに対し、爆炎の中より響の声が聞こえる。
「これ以上、戦いを続けるというのなら……」
晴れた爆炎の中。そこには、無事な響の姿が現れる。
だが、その響の姿はビーストが見たことのない物だった。
響の黄色は、その光をさらに引き上げた___金色の姿をしていた。
「わたしが相手になるッ!」
金色のシンフォギア。その首元からは、さらに巨大な腕の形をしたパーツが飛び出ており、響の新たな腕として拳を地面に叩きつけていた。
「錬金術による黄金錬成……か」
キャスターの表情に、少し驚きが宿る。
「ランサー……お前、錬金術師だったのか」
「だりゃああああああああああッ!」
響はそのまま叫びながら、キャスターへ向かう。
その巨大な黄金の拳は、キャスターの黒い体を吹き飛ばす。
そう。黒い魔法陣で防御したはずの、キャスターを。
黒い魔法陣は未だに健在。だが、その肉体へ衝撃を与える威力に、ビースト、そして隣のパピヨンの目は点になった。
「まだまだまだまだアアアアアアアアアアアッ!」
そして続けられる、響の叫び。
目で追えなくなる
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