暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
五百年分の魔力
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は感じた。

「後日、聖杯戦争の参加者になる予定の者だ」
「……」

 キャスターは静かに、パピヨンへ手を伸ばす。

「なら、今のうちに消しておいたほうがいいな」
「是非……お手合わせ願おうか」
「やめてッ!」

 響の訴えを、この場の参加者たちは誰も聞き受けない。
 すでに無数の蝶が、キャスターの頭上で群れを成している。

「お前の力は、すでに情報から分かっている! 一つ一つの技は確かに強力なようだが、速度に関しては他の参加者よりも低いこともな!」
「……」

 キャスターは静かに左手を向ける。
 すると、黒の魔法陣が彼女の手より出現。三角形の頂点に小さな円を描いた形のそれは盾となり、蝶の流れに歯止めをかけている。

「やはり防御能力も高いようだが……アウラへあれほどの魔力を使えば、残りは俺よりも少ないだろう!」
「……」

 キャスターは何も答えない。
 さらに増えた蝶たちの軍勢が、四方八方よりキャスターを襲う。
 だが。

「舐められたものだな……」

 吐き捨てたキャスターは、その姿を消した。

「何っ!?」

 パピヨンの反応速度を超えるキャスターの動き。
 変態紳士の右腕を掴んだキャスターは、素早い動きでパピヨンの背後に回り込む。すなわち、パピヨンの腕は、自らを締め上げることとなったのだ。

「ぐっ……!」
「私の情報を集めていたようだが……甘かったな」

 キャスターは静かに、背後からパピヨンの腰に手を当てる。

「確かに私の魔法には時間が必要だが……問題あるまい?」
「貴様……っ!」

 パピヨンはそれ以上の言葉が紡げない。
 彼女の手に、黒い魔力が集っていくが、その最中にフロストノヴァが手を伸ばす。
 地上より迫る氷が、パピヨンごとキャスターを閉じ込めようとせり上がっていく。
 だが。

「ふん」

 パピヨンの背中に当てていた手で、キャスターは空を切る。
 その手が描く軌道は、黒い刃となり、フロストノヴァが生成した氷を全て粉々にする。

「……」

 フロストノヴァはさらに強く念ずる。
 すると、地面から次々へ迫っていく氷の山が、キャスターへ向かっていく。
 一方、キャスターはその手に魔法陣を展開させる。パピヨンの拘束を解除することなく魔法陣を投影。そのまま黒い手裏剣は、次々と氷の山を切り裂いていく。

「……ッ!」

 だがフロストノヴァは、目を強く開く。
 次に地面から伸びた氷の山は、飛来する魔法陣の中心を的確に射抜き、伸びていくごとに砕けていった。

「ミストルティン」

 だが、それだけでキャスターの猛攻が終わるわけもない。
 キャスターの掌より放たれる銀の矢。それは、残った氷の山を次々に貫き破壊
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ