第95話 幸せな夢の中で
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side:リィン
特異点を脱出した俺達は窃盗犯どもを捕まえてロレントの街を警備していた軍の部隊に引き渡した。
とりあえずこの霧が晴れるまではロレントの町の地下水路にある小部屋に閉じ込めておくらしい。
そして俺達はこのことをアイナさんに報告していた。
「……そう、窃盗犯たちは捕まったのね」
「盗まれていた品物も翡翠の塔に隠しているみたいなので後は軍の人たちに任せました」
「ありがとう、皆。貴方達のお蔭で市民の方達も少しは安心できたはずよ」
俺達の報告にアイナさんは安堵の表情を浮かべた。霧は晴れていないが市民を不安にさせていた窃盗犯がいなくなれば町の人たちもある程度は安心できるだろう。
後は霧をどうにかするだけだな。
「そういえばエマたちがいないね、どこかに行ってるの?」
「そうだったわ。帰ってきたばかりで申し訳ないのだけど貴方達にお願いしたいことがあるの」
「それって他のメンバーがいない事に関係してるの?」
「ええ、そうよ」
フィーはシェラザードさん、アガットさん、オリビエさん、エマの4人がいないことを指摘するとアイナさんが真剣な表情でそう話した。
なにかを感じ取ったエステルは唯事じゃないと思うとアイナさんは話しを始める。
俺達が翡翠の塔に向かった後にミストヴァルトで鈴の音と怪しい黒衣の服を着た女性を確認したという報告があったらしい。
それを確認するために4人は調査に向かったみたいだ。
「それって罠なんじゃないの?」
「当然シェラザード達も警戒したわ、でもこの状況を打破するためにも確かめないわけにはいかないと判断して危険を承知で行って貰ったの」
「なるほど、だからクローゼさんやティータは残ってたのか」
「はい、罠がある可能性が高い以上私達が一緒では足手まといになりかねませんでしたので……」
「アガットさん達は大丈夫かな……」
フィーの罠ではないのかという発言にアイナさんは頷きつつそれでも調査に向かったと話した。
俺はギルドに残っていたクローゼさんとティータを見て二人は危険なため待機をしていたと理解する。
クローゼさんもそれを自覚していて自分が何もできないことを悔しそうにしていた、ティータは調査に向かったメンバーの事を案じて不安そうな顔をしている。
「でもシェラザード達は戻ってこなかった、罠にはめられた可能性が高いわね」
「なら急いで救出しに向かわないと!」
「でもアガットやシェラザードがやられたとなると無策で行くのは危険すぎない?」
「とはいえ現状何かできるという訳でもないしな……」
アイナさんは調査に向かったメンバーが罠にかけられた可能性が高
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