第六十九話 トリックスターその十一
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「自分の宮殿でくつろぎもするしな」
「貴方もですか」
「最近寿司に凝ってるんだ」
日本のこの料理にというのだ、シェリルに蛇の尻尾を左右に動かしながらそのうえで機嫌よく話す。
「特に秋刀魚がいいな」
「秋刀魚の握りですか」
「そうだ、ただな」
「ただ?」
「蛸や烏賊が食えるとは知らなかった」
こうも言うのだった。
「わしはずっとな」
「ああ、そのことですか」
中里が蛸や烏賊の話が出て応えた。
「食うとこれが美味いですね」
「しかも料理の種類も多いな」
「そうですね」
「烏賊の握りも好きでな」
それでというのだ。
「ゲソを握ってもらってな」
「召し上がってますか」
「蛸は茹でても生でもいい」
寿司のネタでというのだ。
「それでだ」
「食べてはりますか」
「よくな、それでお主達が上に行ったならな」
「魔界に帰って」
「我等の神界にな、そして宮殿の中でな」
マルコキアス自身のというのだ。
「雇った職人に握らせてだ」
「寿司食べますか」
「酒は大吟醸だ、ハゲンティも誘ってな」
このグリモワールの魔神のうちの一柱もというのだ。
「それでだ」
「食べはりますか」
「そうしたい」
「そうですか」
「いや、寿司もいいしだ」
「日本酒もですか」
「いいな、日本の神霊達と付き合うとな」
そうすると、とだ。マルコキアスは舌なめずりをしてそのうえで中里に対してさらに語るのだった。
「そうしたものも食べられる、あと中国の神霊達とも会ってな」
「中華料理もですか」
「食べている」
こう施に答えた。
「こちらは広東料理だ」
「やっぱり魚介類ですね」
「凝っていてな」
中華料理でもというのだ。
「それでだ」
「食べてはりますか」
「蟹焼売に海老蒸し餃子に海鮮麺にな」
具体的なメニューも出してきた。
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