第37話
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す。呼び出しもただの定期連絡で。父は忙しい人で………フェリちゃんみたいに手紙のやりとりすらろくにできなくて。…………3ヶ月ぶりに話せると思ったのですみません、途中で外してしまって…………」
「そう、だったんですね…………」
「…………ハッ…………」
アニエスの話を聞いたフェリは相槌を打ち、アーロンは鼻を鳴らした。
「…………本当は先日の遅刻の件とかバイトについて怒られると思ったんです。でも、”知っている筈”なのに一言も咎められることもなくて――――――」
複雑そうな表情を浮かべてアニエスは父親からの連絡について思い返した。
〜数時間前〜
「…………お父さん、どうして――――――なんで何も言ってくれないんですか…………?突然常に私と一緒にいることになった人と話をしたいとか、危険なアルバイトはやめろとか、無断で地方に行ったりするなとか…………!」
「成績も期待通り、出席日数も守っている。先日の遅刻についても許容範囲だ。生徒会庶務としての評判もいい――――――”世間一般的”にはよくやっているだろう。その意味で”プライベート”にまで口を出す必要は感じないというわけだ。それと”お前と契約している天使”についてだが…………性別はお前と同じ女性との事だし、年末に帰省した時にでも挨拶をすれば特に問題はない。」
「…………っ…………」
(…………なるほど。唯一の血縁者である父親のアニエスに向ける態度が”これ”では、アニエスの為に説教をした私を家族との”繋がり”を大切にしているアニエスが”姉”――――――”家族”のように感じても仕方ありませんね…………)
ヴァンと出会ってから以降の自分の周りの変化や行動について何も咎める事なく淡々と答えた父親の反応にアニエスは辛そうな表情で唇を噛み締め、その様子を見守っていたメイヴィスレインは僅かに複雑そうな表情を浮かべた。
「アニエス、お前に望むのは二つ。私を煩わせないこと――――――そして母さんに恥じない行動を心がけること。それが守れるならば行動の制限はしない。困ったことがあれば”彼ら”に言いなさい、大抵は応えるだろう。わざわざバイトをする”手間”も省けると思うがね――――――」
〜現代〜
「―――――ですから、大丈夫です。バイトを続けても良さそうなので。これからは今日みたいに突然外すこともないと思います。」
「アニエスさん…………」
「…………ハン…………」
「ま、家庭の事情に突っ込むつもりはねぇが…………――――――フェアなのは悪くねぇ。お前を信頼している証拠だろう。バイトにしても”ゲネシス”にしても決めるのはお前だ――――――違うか?」
「…………いえ、違いません。改めてよろしく
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