第10話 迫り来る悪魔達。炸裂!ライダーキック
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男の口から太い糸が垂れ下がってきた。それが、屋根の中に入り廃工場の中へ入っていく。
その頃、水を汲んできたなのはがコップを緑川博士に渡した。
渡された水を飲み干すと緑川博士はひと心地つけたのかほっと溜息を吐く。
「有難う、少し落ち着いたよ」
「良かった…それにしても、本郷さん遅いなぁ」
チラリと廃工場の外に繋がる扉を見てなのはが呟いた。
すると、外の方でバイクの止まる音が聞こえた。
「本郷さん? ちょっと見てきますね」
「あぁ、頼む」
緑川博士を残しなのはは廃工場の入り口前に立つ。
そっと扉を開き外を見た。其処に居たのは本郷であった。
「や、誰にも見つかってないかい?」
「はい、緑川さんも中に居ます」
「良かった」
どうやら取り越し苦労だったようだ。
安堵しながら廃工場の中へ入る二人。
だが、その時中から緑川博士の声が聞こえてきた。
唯の声じゃない。うめき声だ。とても苦しそうな声が聞こえてきたのだ。
「緑川博士!」
「そんな、緑川さん!」
急ぎ駆けつけた本郷が見たのは太い蜘蛛の糸に絡まれて首を絞められている緑川博士の姿があったのだ。
「み、緑川博士!」
「ほ、本郷君!」
急ぎ駆けつけた本郷が蜘蛛の糸を引き剥がそうと力を込める。だが、その糸は思ったよりも頑丈で中々千切れない。
「緑川さん! しっかりして下さい!」
なのはも必死に糸を引き剥がそうと糸を引っ張った。
だが、改造された本郷でも千切れないのに子供であるなのはに千切れる筈もない。
逆に反動で後方にこけてしまった。
その丁度直後、反対側の扉を開いて誰かがやってきた。
やってきたのは緑川博士の一人娘であるルリ子であった。
ルリ子が見たのは奇妙な糸で雁字搦めにされた父を知り合いの本郷が絞め殺しているように見える場面であった。
「な、何してるの! やめて! お父様を殺す気なの?」
「違う、違うんだ!」
バッと二人の間に割って入ったルリ子が父を抱きかかえる。
だが、その時には既に遅く、緑川博士は蜘蛛の糸に首を絞められて絶命してしまった。
「あぁ、お父様…」
「み、緑川博士…」
息を引き取った緑川博士を見て二人は悲しみにくれた。そんなルリ子が猛に憎しみの目線を向けた。
「人殺し! お父様を返して!」
「ま、待って下さい! 本郷さんは緑川さんを殺してないんです! 助けようとしてたんですよ!」
「貴方は黙ってて頂戴!」
弁明しようとしたなのはを黙らせてルリ子は本郷を睨んだ。
その目は愛する父を奪われた憎しみの炎で燃え上がっていた。
「聞いてくれ、ルリ子さん! 僕は殺してない。助けようとしたんだ!」
「嘘よ! 私見たわ! 貴方がその手で緑川博士を殺す場面をちゃ
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