第10話 迫り来る悪魔達。炸裂!ライダーキック
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ない。本郷君を巻き込んでしまったのはワシなんじゃ。ショッカーの怪人に相応しい人材を探せと命じられ、やらない場合は娘の命がないと言われ、それで仕方なく……」
そう言った所で緑川博士は泣き崩れた。大事な娘の命とは言えそれだけの為に一人の青年の人生を捻じ曲げて良い訳などない。その思いから緑川博士は涙を流していたのだ。
「あの、ちょっと水汲んできますね」
そんな緑川博士を気遣ってかなのはは少し離れた場所にある水道へと向かった。コップに水を注ぎながらなのははふと窓の外に映る青空を見上げた。
「本郷さん、どうしてるんだろうなぁ?」
***
此処は喫茶店アミーゴ。
立花籐兵衛が経営する喫茶店で彼の煎れるコーヒーがかなりの人気で毎日それを求めて訪れる遠方からの客が多い。そしてこの立花籐兵衛だが、彼自身もかつてはライダーであり、今は多くの若手ライダーのコーチを行っている。勿論本郷猛もその中の一人なのだ。
「本郷が行方不明になってから既に一週間か……一体何処に消えちまったんだアイツ?」
新聞の見出しには今でも行方不明者続出と言う記事が載せられている。そして、その中の名簿にはあの本郷猛の名前も載っていたのだ。
それが立花の中で心配が更に募っていた。
そんな時、勢い良く扉を開く音が聞こえた。見ると其処には慌てた顔をした本郷が居た。
「ほ、本郷! お前今まで何処に行ってたんだ!? いきなり行方不明になったもんだからこちとら偉く心配したんだぞ!」
「すみません、おやっさん。それより今は急いでいるんです」
「お、おい本郷! 待てよ!!」
一礼して逃げる様に去ろうとした本郷の肩を立花が掴んだ。
「何も教えずに行くなんざ水臭いじゃねぇか。俺はお前のコーチなんだぞ。ちったぁ話してくれても良いんじゃねぇのか?」
「すみませんおやっさん。一通り片付いたら全て説明します。ですが今は……もし此処に恭也達や、緑川博士の娘さんが訪れたら、伝言をお願い出来ますか」
「分かった。本郷……理由は分からんが何時でも俺は力になってやるからな!」
「有難う御座います。おやっさん」
そう言い残して本郷はアミーゴを出て行った。
「やれやれ、偉い事を引き受けちまったもんだなぁ」
そう呟きながら立花はパイプを吹かす。するとまたしても扉を勢い良く開いた。
其処には先ほど本郷が伝言を頼んだ高町恭也達と、そして緑川博士の一人娘のルリ子が来ていたのだ。
「お久しぶりです。立花さん!」
「おぉ! 恭也に美由紀ちゃん。それにルリ子ちゃんまで。今日はやけに来客が多いなぁ〜」
「立花さん、本郷さんが行方不明と聞いて飛んできました!」
美由紀が事の経緯を話す。本郷猛が行
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