暁 〜小説投稿サイト〜
黒い親友が白魔術を学び始めて俺を痛めつけようとしている
1.放課後

[2]次話
 いつも放課後になると関節技をかけにくる竹岡が、今日は席にやってこない。

 不審に思った日高は、彼の席の方向を見る。
 開いた窓の向こうに見える葉桜。端に寄せられ一部がなびくベージュのカーテン。四月下旬らしい景色をバックに、彼は何やら分厚い本を読んでいた。

 友達同士となった幼稚園生のときから、高校二年生となった今に至るまで、彼が読書家というイメージを持ったことはない。

「竹岡。なんだその本は」

 気になってしまい、自分から彼の席の(そば)まで行って聞いてみた結果。それは、日高にとって予想だにしないものだった。

「ん、これ? 白魔術の本だよ」
[2]次話


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