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夢幻水滸伝
第三百五十一話 ソーサラーとしてその十三

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「この力についてはね」
「気を付けておられますね」
「そうされていますね」
「デリーロ様は」
「星の者、ソーサラーとしての力は」
 それはというのだ。
「溺れたらその時点でね」
「終わりですね」
「まさに」
「左様ですね」
「そうよ、もうね」 
 それこそというのだ。
「自分に常に言い聞かせてるわ」
「力に溺れるな」
「その様にですね」
「そうされていますね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「やっていってるわ、まだこの世界に来て間もなくだけれど」
「それでもですね」
「絶大なお力があるなら」
「それならですね」
「自覚してね」
 その持っている力のことをというのだ。
「自制しないとね」
「いけない」
「そうお考えなのですね」
「ご自身で」
「若し自分の力に溺れたら」
 その時はというと。
「今言った通りよ」
「暴君となり」
「恐ろしい災厄となり」
「そしてやがて力を失い」
「そして野垂れ死にですね」
「そうなるわ、力に溺れたらやがてその力を失うわ」
 そうなるというのだ。
「まさにね」
「今言われた通りに」
「そうなりますね」
「そしてそんなことでこの世界を救えるか」
 それはというと。
「到底ね」
「出来ないですね」
「そうですね」
「そんなことでは」
「世界を救えないですね」
「そうよ、どうして救えるか」
 力に溺れる様ではというのだ。
「自分で思っているわ、起きた世界の学園を経営している八条家の総帥さんは」
「どういった方ですか」
「その方は」
「一体」
「世界的な企業グループの総帥さんで」
 その立場でというのだ。
「下手な国以上にね」
「力をお持ちですか」
「お金も権力も」
「そうなのですね」
「そうだからね」
 それでというのだ。
「凄く偉そうに出来ても」
「そうされない」
「そうした方ですか」
「その方は」
「本当に立派な方だから」
 そうした人を知っているからだというのだ。
「あたしみたいな起きた世界だと一学生がね」
「偉くするか」
「そう出来る筈がない」
「左様ですね」
「そして逆に何でもないお家の長男だからね」 
 それだけでというのだ。
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