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金木犀の許嫁
第二十一話 里帰りの準備その十

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「そこまで身体動かすお仕事ですか」
「部活でもそうないでしょ」
「はい、忍術も跳んだり走ったりですが」
「そこまではしないわね」
「酷使し過ぎです」 
 身体をというのだ。
「幾ら何でも」
「それで書道とかフォークもやってお仕事終わっても勉強やらさえて残業も多くて」
「物凄いブラックですね」
「お酒の販売店のチェーンらしいけれど」
「そんなところいたら普通に身体壊しますね」
「しかも出来ないと物凄く言われて」
 そうした職場でというのだ。
「正社員にも中々ね」
「なれないんですね」
「そうしたところもあるから」
「まさにブラックですね」
 白華は心底引いた顔になって真昼に応えた、具体的なブラック企業のことを聞いてそれでそうなった。
「それは」
「一日で辞めた人多いらしいわ」
「あまりにも過酷で、ですね」
「一日働いてね」
 そうしてみてというのだ。
「ボロボロになって」
「そんなところ滅多に人集まらないですね」
「何でも体育会系っていうか悪い意味で脳筋な」
 そうしたというのだ。
「極端な人しかね」
「残らないですか」
「そうみたいよ」
「そんな会社即刻潰れますね」
 白華は呆れ果てた顔で言い切った。
「私にもわかります」
「そうしたところって評判が出てね」
「誰も近寄らなくなって」
「面接受けようなんてね」
 働く以前にというのだ。
「思わないわね」
「酷使され過ぎて身体潰れますから」
「しかも待遇もね」
「それで正社員に中々なれないんですね」
「ああだこうだで条件厳しくてね」
「書道とかフォークリフトとか出来て」
 白華はフォークリフトの使い方がわからないのでそのことを念頭に話した。
「しかも他にも仕事ぶりとかですね」
「凄く細かく言われるのよ」
「それで正社員になるんですか」
「中々なれないでね」
 それでというのだ。
「そうなのよ」
「無茶苦茶ですね」
「そう思うわよね」
「はい」
 真昼に真剣な顔で答えた。
「そんなところ普通にいられないです」
「それで一日で逃げる人が多いのよ」
「逃げて正解ですね」
「しかも日給正社員じゃないと一万いかないわ」
「お給料もブラックですね」
「広い駐車場一人でお掃除した後床をずっと屈んで汚れ取りをやってね」
「あの、そんなところ会社自体が潰れます」
 白華はここまで聞いて慌てた声になって言った。
「人が潰れていって」
「だからブラック企業なのよ」
「そういうことですね」
「私この会社のお話聞いてわかったのよ」
「ブラック企業がどんなものか」
「そのことをね」
 こう言うのだった。
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