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オズのエマおばさん
第九幕その十一

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「オズの国の不思議はね」
「魔法のことじゃないね」
「もっと他のね」
「外の世界ではない」
「お伽の国ならではの」
「そうしたものが不思議だね」
「そうよ、魔法は不思議じゃないのよ」 
 トトにこのことを強く言います。
「これまでお話してきた通りね」
「理屈もタネもあるから」
「ちゃんとした根拠もね」
「科学と同じく」
「科学と魔法は相反するものじゃないの」 
 ドロシーはこのことも強く言いました。
「むしろ根は同じなの、科学と魔法と」
「他のものもだね」
「錬金術や超能力もね。あと仙術や妖術、陰陽道は魔法ね」
「そちらに入るね」
「おおまかに言ってね、超能力もそうね」
 こちらもというのです。
「錬金術は科学になるわね」
「それぞれ根は同じだね」
「だから科学と魔法は分けないの」
「オズの国ではね」
「そのことをよくわからないと」
 さもないと、というのです。
「魔法も誤解してしまうわ」
「特別な、不思議な力だってだね」
「そうよ」
 まさにという返事でした。
「本当にね」
「それもオズの国ね」
 おばさんはドロシーとトトのこれまでのやり取りを聞いて成程といったお顔になって言いました。
「そうなのね」
「そうよ、木の実がお菓子でね」
「ミルクやジュースが出る泉もあるのね」
「これは不思議かっていうと」
「オズの国じゃ普通なのね」
「お空にお魚がいてね」  
 そうしてというのです。
「エルフやドワーフや人魚といった人達もいて」
「ノームの人達もいるわね」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「お空に島、他にもね」
「色々な人達もね」
「いるわね」
「そうしたこともね」
「オズの国ね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「だからこのこともね」
「不思議じゃないのね」
「オズの国の不思議はもっと凄いの」
「それはどんなものなの?」
「何時どんなことでも起こる、いいことがね」
「そのことがなのね」
「オズの国の不思議なの」
 そうだというのです。
「本当の意味でのね」
「不思議で」
「そしてね」
 さらにお話するのでした。
「私もオズの国に何度も来て」
「今は王女様ね」
「色々な人にお会い出来て」
 そうなってというのです。
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