暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーヒーロー戦記
第9話 仮面の戦士
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
うだろう。だが、お前は改造手術によって風力エネルギーを蓄える事が出来るようになった。そして、今のお前の体の中にはそのエネルギーで満たされているのだ。直ちに電流を流せ!」
「止めろ! やめてくれぇ!」

 猛の声を張った願いも聞き入れられる事はなく、無情にも電流は流れ出した。

「ぐあああああああああああああぁぁぁっ!!!」

 猛の体に猛烈な痛みが走った。が、不思議と体は無事だった。これが改造の影響なのだろうか?

「貴様が痛みを感じるのは、まだ脳改造が住んでいないからだ。脳改造さえ終われば貴様は栄光あるショッカーの一員となれるのだ。直ちに脳改造手術を開始しろ!」

 ショッカーの医者達が各々医療器具を手に猛に近づいてきた。
 その時だった。突如辺りの電灯が消え、警報が鳴り出した。

「大変です! 変電室で爆発が起こりました。何者かが爆発させた模様です!」
「何だと? すぐに原因を調べるんだ!」

 そう言うと戦闘員は勿論医者の全ても部屋を後にして出て行ってしまった。

「い、今なら……うおぉっ!」

 両手に力を込める猛。すると彼を拘束していた鋼鉄製の手枷がいとも容易く千切れたのだ。
 これには猛も驚かされた。

「こ、これが……これが改造された俺の力なのか?」

 自身の力にひたすら驚く猛。すると、其処へ暗闇から誰かがやってきた。其処を向くと、其処には猛の良く知る人物が立っていた。

「貴方は! 緑川博士。貴方は行方不明になっていたんじゃ?」
「本郷君、すまない。私はショッカーの一員として働かされていたんだ。そして、私はショッカーに君を改造人間の候補として推薦してしまった。それが原因でこんな目に合わせてしまって、本当に申し訳ない」
「え? それじゃ緑川博士が! とにかく、此処を早く出なければ……しかしどうやって」

 辺りには既に戦闘員達でひしめき合っている筈だ。下手に出ようとすれば再び捕まってしまう。

「本郷君。天井を破って脱出するんだ。普通の人間なら出来ない事じゃが、改造人間である君なら容易い筈じゃ!」
「本当ですか? よぅし、こうなったらイチかバチかだ!」

 猛は緑川博士を抱かかえると天井目指して一気に飛び上がった。天井のガラスを突き破り外へ飛び出す猛。

「出来た! 博士の言う通りだ。しかしショッカーとは一体何者なんですか?」
「世界中から有能な人材を集めて、動物や昆虫、果ては植物の持つ特殊能力を付加した人間、即ち改造人間を作り出し世界を征服しようとしている悪の集団じゃ。そして本郷君。君はバッタの改造人間として改造されたんじゃ。その脚力は常人の数十倍以上の筈じゃ」
「バッタの……改造人間」

 まともな神経を持つ人間ならまず信じない事だろうが今の本郷なら信じ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ