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スーパーヒーロー戦記
第9話 仮面の戦士
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はキツイのでバスに乗って目的地に向かう予定なのだ。
 が……

【時にマスター、旅費の方は大丈夫なのですか?】
「あ!!!」

 レイジングハートのその言葉になのはは気づく。バスに乗るにもお金が必要なのだ。
 因みに今のなのはの所持金は300円であった。これでは流石にバスは利用出来ない。かと言って電車もそれはキツイ。
 どうしようものかと悩んでいた時であった。
 何処からとも無く聞き覚えのあるギターの音色が聞こえてきた。何処と無く悲しげで、儚げな曲が聞こえてきた。

「この音色……何処かで?」
「よぅ、また会ったなぁ。なのは」

 其処に居たのは黒い服にカウボーイハットを被り白いギターを弾く青年こと早川健であった。

「早川さん!」
「どうした? 何時に無く暗い顔しているじゃないか。彼氏とのデートに遅れそうな口なのかい?」
「早川さん、車とか運転出来ますか?」

 いきなりそんな事を聞きだすなのは。そのなのはに健は鼻で笑いながら指を鳴らす。

「おいおい、俺は何をやらせても日本一の男だぜ。車の運転位お茶の子歳々だぜ」
「お願いします! 私を乗せて喫茶アミーゴまで連れてって下さい!」
「おいおい、いきなりだなぁ。喫茶アミーゴって言ったらかなり遠いなぁ」

 何とも渋い対応をしだす健。そんな健を見てなのははじれったさを感じていた。急いで向かいたいのだ。今、こうしているだけの時間すら惜しいのだ

「もしかして早川さん、本当は車の運転出来ないから渋って誤魔化そうとしてませんか?」
「何っ!」
「日本一の男ってのは嘘だったんですね。正直減滅しました」

 そっぽを向きながら言い放つ。その言葉を聞いて黙ってられる健ではない。

「言ってくれるじゃねぇか、なのは。其処まで言うなら何処へでも連れてってやろうじゃねぇか! 地球の裏側でも何処でも連れてってやろうじゃねぇか!」
「本当ですか? 男に二言はありませんからね」
「ったく、末恐ろしい嬢ちゃんだよ」

 一本取られたような顔をする健に向かい満面の笑みを浮かべるなのは。日本一の男を言いくるめる事など彼女位しか出来ない偉業であろう。
 そんな訳で健の自前の車に乗り込むなのは。

「言っておくが、俺の運転は少々荒っぽいぜ。運転中に降ろしてくれなんて言っても聞かねぇからな」
「大丈夫です!」

 シートに齧りつくような態勢でなのはは言う。それを見た健はニヤリと笑った後、力いっぱいアクセルを踏み込んだ。




     ***




 目の前に広がるのは不気味な色をした部屋であった。そんな空間の中、本郷猛は大の字で寝かされていた。

「こ、此処は一体何処だ?」
「気がついた様だな。本郷猛。此処は我等ショッカーのアジ
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