第9話 仮面の戦士
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た間柄であった。
城南大学在学の秀才であり、知能指数は600、それに運動神経抜群と正に欠点のない男とでも言えた。
そんな彼は実は高校時代は恭也と同じ学校の同級生であり良く彼と競い合った事があったのだ。言わば恭也の良き理解者でもあり親友でもあった。
また、なのはも彼には色々とお世話になった。幼少の頃孤独だった時に良く家に遊びに来て遊び相手になってくれた思い出がある。
今でも脳裏に浮かぶ幼い自分に向けたあの優しい笑顔を見せる本郷。
その本郷が行方不明となった。
「警察は捜しているのか?」
「ニュースにまでなっているって事は恐らく総動員で探しているんだろう。だが、それでも見つからないってのは妙だなぁ」
父士郎が顎に手を当てて考え出す。なにやら一人でブツブツ呟いているようだが此処では聞こえない。それよりも今はニュースで報道された内容が心配だった。
もしや本郷の身に何か起こったのだろうか?
気が気でないなのはであったが、今ではどうする事も出来ない現状でもあった。
「そうだ! 立花のおやっさんなら何か知ってるかも知れない!」
「そうだな、立花さんなら本郷のコーチもしていただろうし」
恭也が思いついたかの様に手を叩く。
立花籐兵衛。
喫茶店アミーゴのオーナーであると同時に立花モーターズの経営者でもある。そして、本郷のバイクのコーチでもあり良き理解者でもあった。彼なら本郷の行方を知っているかも知れない。
「お兄ちゃん、立花さんの所に行こう!」
「何言ってるんだ。子供のお前が行って何かあったんじゃ危険だろうが。俺と美由紀で行ってくるよ。お前は大人しく留守番してなさい」
「は〜い」
連れて行ってくれないと分かったのかなのはは不貞腐れる。
「そうだ恭也。立花さんに会うんだったら何時かのお礼だって菓子包みを持って行ってくれないか? ささやかな気持ちって奴でさ」
「全く、遊びに行くんじゃないんだよ父さん」
愚痴りながらも了解する恭也ではあった。
その後、二人はバイクに跨り立花のおやっさんの経営するアミーゴまで走り去っていってしまった。それを二階から見送るなのは。
だが、彼女とてそう簡単に諦める性格ではない。机の上に置いておいたレイジングハートを掴み目の前に持っていく。
「行こう、レイジングハート」
【分かりました。ですが今回の件はジュエルシードとは関係ないようですが?】
「本郷さんには昔凄いお世話になった事があるの。だから放っておけないんだよ」
【個人的事情なのですね。分かりました】
了解したのかレイジングハートはそれ程深く詮索しなかった。
そのレイジングハートを首に巻き簡単な荷物をリュックに詰めて背負い家を出る。目指すはバス停。移動手段が徒歩で
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