第11話:贅沢が足りない……
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しこの包囲を突破したのち、エイジオブ帝国をどうする御心算か?」
ベネットがギャーギャー騒いでおる様だが、トクミツの静か過ぎる気迫の方が気になり過ぎて耳に入らぬ。
で、代わりに答えてくれたのがサカシラ兄上だった。
「私は、エイジオブ帝国の侵攻は度を越えていると考えております」
「度を?」
実際の音量はベネットのギャーギャーの方が圧倒的に大きい筈だが、精神的にはトクミツの低音の方が耳に響く。
「私達ムソーウ王国は、これからも自分達の力をひけらかす事無く、他国の安寧に一切手出しせず、他国への救援にのみ心血を注ぐ事を誓いたい」
頑張れサカシラ兄上!
「でも、それではエイジオブ帝国も護る事になりますぞ?」
「確かに。ですが、エイジオブ帝国とて拡大し過ぎた領土を完全に見通す事は出来ないと判断します。故に、エイジオブ帝国は過剰な侵攻で得た手に余る領土は捨てるべきと考えます。向こうがそう簡単に決断するとは思えませんが」
「手に余る……か」
トクミツさん……マジで怖いです……
お陰で……ベネットの超大音量のギャーギャーがまったく聞き取れません……
「確かに手に余るな。エイジオブ帝国のあの領土は」
「何いぃー!?」
あ。やっとベネットの声を聴き取れた。
「貴様等は馬鹿か!どうあがいてもエイジオブ帝国には絶対に勝てぬ事ぐらい容易く解るだろ!」
「ですが、この広き世界をたった1人の王のみで全て面倒を看ろと?不可能です」
「だからお前は馬鹿なのだぁー!エイジオブ帝国に勝利する方が不可能の中の不可能じゃー!」
そして……トクミツの殺気が遂に解き放たれた!
「私のかつての王よ!この態度を視てもなお、このトクミツが反逆を否定出来る者が……いようか!」
その直後……
トクミツがベネットを殺していた……
「おーーーーー!?」
ベネットはトクミツが投げた槍が自分の腹を貫通している事に軽く混乱しておる様じゃが、周りの者は誰もベネットを心配していない。
つまり、ベネット以外は誰も本気でエイジオブ帝国に下る心算は無かった訳ね?
で、豊臣秀吉は一計を案じてトクミツに捕まったフリしながら今回の絵を描いた黒幕の許へやって来たが……
「あれ?ベネット男爵は如何いたした?」
あれ?こいつは確か、あの口の傷は豊臣秀吉が付けた筈の。
「オラウ・タ・ムソーウが無駄な抵抗を行い、我らが王は……」
「そうか……それは残念だ」
まさか、ベネットの安否を最も案じておったのは敵国の中にしかいないとはね。なんたる皮肉。
「それよりも……オラウ姫、やっとその重たい鎧や衣服を脱げますなぁ。良かったですなぁ」
この弩助平が。
が、こやつは何も知らないから怒る気にもならんわ。
で、トクミツが目の前の敵将の護衛を全員殺した。
「……え?」
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