第11話:贅沢が足りない……
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……身の程を知れ囚人!」
やはりね……
こやつはベネット男国の命運がどうとかを考えているのではなくて、豊臣秀吉をどうやってとっ捕まえるかを重視しているのね……
……自分が助かる為だけに!
「違う!豊臣秀吉が問うているのは、ベネット男国がこの先どれだけ贅沢するかだ!たとえ自国を戦火から護り抜いたとしても、自国が1度も贅沢出来なければ、それでは自国を護った事にはならん!」
ドウカァーは力強く頷き、トクミツの目は大きく見開いた。
あとひと押しだな?
「民が!国が!そして王が!1度も贅沢出来ない国!贅沢した気分になれない国!その様な無様な国が!本当に幸せな国と本当に言えるのか!」
そうだろ?前田慶次!
「……バカ……アホ……トントンチキ……」
ん?
トクミツさん、何か言いまし―――
「俺達がどれだけ我慢したか……どれだけ自分の意見を圧し殺したか……知らない癖に!」
こいつ!……豊臣秀吉を殴ったぞ。
「オラウ!?」
「オラウ様!」
私は……私の心配をするサカシラ兄上とドウカァーを片手で制した。
ここで反撃したら芸が無い……そんな気が……したからだ。
その間も、トクミツさんは私を殴り続けた。
「俺達だってなぁ……本当はエイジオブ帝国の無礼な侵攻に対して徹底抗戦したかったよ!でもなぁ―――」
「わー!わー!わー!この人は違いますからねー!ただ酒に酔ってるだけですからねぇー!」
ベネットとか言う小さい男が何か慌てている様ですが、あえて無視しました。
そんな事より……
「元はと言えば、お前達ムソーウ王国が不甲斐無いからこうなったんだろうが!?俺はな!お前達ムソーウ王国に憧れて必死に戦技を覚えたんだぞ!それなのに……それなのに……お前達がくだらない連敗をしたせいで、俺達は戦わずしてこの国を明け渡さなければならなくなったんだぞ!どいつもこいつも……もっと真面目に戦えよな!お!」
熱い!
こいつの涙が熱い!
この熱さが、トクミツがどう言う人物かをきめ細かく丁寧に説明してくれる。
……それに引き換え……
「おい、おい!何をしている!あの馬鹿4人を捕縛せぬか!早くしろぉーーーーー!」
遂にトクミツまで切り捨てたか……本当に解り易い小ささだな……
気付けは豊臣秀吉はトクミツにハンカチを差し出していた。
「鼻、出てるよ?」
豊臣秀吉に指摘されたトクミツは、私のハンカチで鼻をかんだ。
そして……
「急に良い顔になったじゃない?」
私は少しだけ背筋が冷たくなった。
この時のトクミツは笑顔だからだ。怖いくらいに。
「今のでスッキリしました。まるで便秘が完治した気分です」
そ……そうなんだ……それは良かった……
「して!」
「……はい?」
「も
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