第11話:贅沢が足りない……
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って言うんだ?
で、そのトクミツの奴、何かを見比べて品定めをしている様に視えるぞ?
静のトクミツと動のベネット。
どちらが冷静そうに観えるか……美しく観えるか……
こうして視ると、ベネットって豊臣秀吉より背が高い癖に小っちゃいなぁー。
「だから!王族同士の神聖な会話に余計な者を入れるな!いい加減にしろベネット!」
豊臣秀吉の文句に対し、トクミツは片手で兵士達を制した。
「何でじゃトクミツ!?」
「オラウ殿の言い分、確かにごもっとも!この者をどうするかは、この者の言い分を聴き終えてからでも遅くはないか―――」
「遅いわ!おっそいわ!さっさとこの無知な愚者を捕らえてエイジオブ帝国に明け渡さんか!」
……本当に小さいなぁベネット……豊臣秀吉はベネットの顔を見る為に顔を上にあげているのに……
ま、少なくとも豊臣秀吉の言い分が真面である内は、トクミツは私達を攻撃する事は無いだろう。
が、トクミツが私達を敵と判断した時が怖いがな。
「私がベネット殿に訊ねたいのは、エイジオブ帝国が我が国であるムソーウ王国に勝利した事で得られるベネット男国の損得についてです」
ん?
今、トクミツがピクっと動かなかったか?
「つまり、お主達の言葉を聞くに値しないと言う事。話は終わった。捕らえろ!」
早いなお前。
せめて、お前がどんな条件でエイジオブ帝国に下ったかくらい言えよ。
トクミツもそう思ったのか、不機嫌そうな顔はすれど、戦う意志は無し……そんなに気になるか?私達ムソーウ王国が出そうとしている条件が?
その証拠に、トクミツが遂に口を開いた。
「して、ムソーウ王国がエイジオブ帝国の侵攻に耐え抜いた際、我々ベネット男国は何を得られ―――」
その途端、ベネットが慌ててトクミツの口を塞いだ。
「ば!?馬鹿!今の台詞がエイジオブ帝国に聞かれたら不味い事になるだろ!」
あー、そう言う事ね。
本当に小さいねベネット?豊臣秀吉は後先まで考えて戦っている者と君を同列に扱った事を恥に思うよ。
それに、今の小声をちゃんと聴き取ったぞ!
「確かに!自国を戦火から遠ざける事は美徳であり聡明な行いだ。国民を無粋な戦火から護り、国民を無駄死にさせなかったのですから。だが!死ねない事が必ずしも幸福かと言えば、豊臣秀吉は違うと思います!」
「……死なないが不幸だとぉー!?所詮は全てを失った哀れな囚人の考えよ!」
この言葉に対するベネットの反応が凄いな。
お陰で、ベネットがどの様な条件でエイジオブ帝国に下ったかがよぉーーーーーく解った!
「つまり、その先に贅沢をしたと言う実感が有るか無いかです!」
「なるほど……貴方達は既に囚人。贅沢とは無縁の存在。だから私達の生活環境改善を求めると?
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