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SAO─戦士達の物語
MR編
百六十二話 姉、襲来(前)
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を見た彼女は直葉の姿を見止めた瞬間に花が咲くようにパッと華やいだ。

「スグー!!」
「姉ちゃんー!」
「スグー!!」
「姉ちゃーん!」
「!?」
お互いを呼び合いながら駆け寄っていく二人に目を白黒させている内に、 接近した直葉が小さい子供のように彼女に飛びつく。それを同じくしっかりと受け止めた彼女と直葉はそのままガッシリと抱き合った。

「久しぶりー!元気してた?学校どう?聞いたわよ〜、剣道部幹部候補なんだってね!?」
「そーなの、もう大変なんだよ〜」
抱き合うや否や顔を突き合わせて近況報告をし始める二人に、 周囲を歩く旅行客達が驚いたような、 微笑ましいものを見るような顔で注目しては去っていく。 アメリカや欧州の各国ならばいざ知らず、 日本の空港ではなかなか目にしない一直線なハグに、予想外の物を見せられた明日奈は完全に停止した。

「……わぁ」
『ひゃー、ママみたい……』
「ま、こうなるな」
「だな」
慣れた様子でその脇を抜けていく涼人が、ほとんど投げ捨てられるように彼女の後ろで放置された手荷物を回収する。
和人はと言うと直葉の後ろにつくように立って、相変わらず抱き合ったままの二人を見て少し呆れたような様子で笑った。

「仲いいなぁ」
「おっ、 来たわね思春期のカズ君」
「その呼び方ヤメテクダサイ」
直葉の頭越しに彼をそう呼んでにやりと笑った怜奈は、何とも言えない表情でそういった和人にニヤリと笑いかけると背中に回した手で軽く直葉の背を叩くと彼女を解放し、おもむろに和人に近づいて、おもむろにまた抱き着いた。

「よいしょっと~」
「うぉう」
「ぅえゃ!?」
殆ど何の抵抗もなくハグを受けた和人はというと、一瞬迷ったように腕をさまよわせた後、観念したように慣れた様子で怜奈の背に手を回す。

「うん、少しは肉付いたみたいだけど、でー?ちゃんとご飯食べてる?」
「知り合いの看護婦さんみたいな事言うなぁ……食べてるって」
「ほんとに?カップ麺とかばっかり食べてんじゃないのー?」
「そ、ンな事は無いし......」
「ふふ、まぁ太りなさいってわけじゃないけどね、 身体は大事にしないとね?」
「......わかってる、心配ないよ」
「…………」
抱き合いながらも、交わされる会話は穏やかな家族のそれだ、労わるように言った言葉に応える様に、和人の手が従姉の背を軽くたたく。 一方再び想定外の展開を見せられた明日奈はと言うと、その場で本日二回目の硬直を起こし、見かねた美幸達が静かに彼女の隣からささやくように解説する

「えっとね明日奈、怜ちゃんはいつもあんな感じだから……」
「そうね、れい姉ちゃんにとってはあれは挨拶みたいなものだから、気にすることないからね」
「え!?え、あ、うん……」
確か
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