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SAO─戦士達の物語
MR編
百六十二話 姉、襲来(前)
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て言った。

「そうでもねぇぞ、遠くないうちに、お前もその場に行かずにホノルルの道を歩けるようになったりするかもしれん」
『?どういう事?』
「そのうち詳しく教えてやるよ」
そういった後、涼人は不意に顔を上げていつの間にか先ほどは離陸に使われた滑走路に降りてきた一機の機体を見た。

「どーれ、うるせぇのが来たぞ」

────

東京国際空港は、東京都は大田区に所在する日本に数か所しかない国際空港の一つだ。3つのターミナルと4つの滑走路を持ち、敷地面積、利用客数通して国内最大の国際空港であるこの場所は日本の代表的な航空会社の大半が利用するハブ空港でもあり、名実ともに日本の空の玄関口である。そんな中でも、ひときわ目立つガラス張りの塔のような吹き抜けの下、差し込んだ陽光と間接照明によって明るく照らし出された2階部分に降りてきた明日奈たちは一路、国際線の到着口へ向けて歩いていく。そんな中、肩のプローブから、というよりも手元の携帯から、 些か心配そうなユウキの声がした。

『アスナ、大丈夫?なんだか変な顔してるよ?』
「うぅ~、ちょっと、緊張して」
「そんなにか?まぁ、確かにちょっと変わった人だけど……明日奈は大丈夫だと思うぞ、タブン」
「ちょっとお兄ちゃん、タブンなんてれい姉ちゃんかわいそうだよ! 大丈夫ですよ明日奈さん、絶対、仲良くなれます!」
「絶対?」
「絶対です!」
自信満々にそういう直葉に和人は僅かに苦笑したようだったが、特段否定する事はなかった。代わりに隣にいる明日奈に向けて少しバツが悪そうにしながら頬を掻く。

「まぁそう言う訳だから、そんなに緊張しなくていいぞ?普通に従姉の姉さんだと思ってくれたら」
「アンタの従姉だから印象良くしたくて、明日奈は緊張してるんでしょ」
「ハイ、仰る通りです……」
何を他人事みたいに言っているのかと後ろに居た詩乃から被せる様にそういわれて首を縮こまらせる和人に、 少しだけ哀れみを覚える。
まぁ、流石にこればかりは仕方がないところもあるのだろう。 明日奈にとってみれば怜奈という人物は和人の兄同然の人物である涼人の姉、つまりこれから伴侶になりたいと思っている少年の姉同然というわけで、実質将来の義理の姉に対面するも同然の感覚だが、和人にとってはそれこそ気心が知れた従姉である。桐ヶ谷家の三人の兄妹たちの仲の良さはよく知っているし、同じ調子で怜奈の話も聞いている。その和人と明日奈の間にある空気感の差はなかなか簡単に埋まるものではない。

「(でも、この先の事を考えたら・・・)」
和人の親族で明日奈が直接顔を合わせていない人物は、それぞれ大学と単身赴任で普段は海外で暮らしている為その機会自体が少ない怜奈と、父である峰嵩氏だけだ。けれど明日奈の親族で和人が顔を合わせていない人物は
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