第8話 もう一人の魔法少女
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った。
なのはでは全く歯が立たなかった相手を圧倒しているのだ。
それ程までに少女はなのはよりも実戦慣れしていると言う事が伺える。
すると、化け物が少女に背を向けて逃げ出した。
恐らく少女には勝てないと判断したのだろう。
だが、それに対し少女がデバイスを振りかぶる。
「逃がさない。切り裂け! ハーケンセイバー!」
叫び、デバイスを思い切り振るった。
すると振るわれたデバイスから光の刃がブーメランの様に化け物目掛けて飛んでいく。
その刃が化け物を縦一文字に両断する。
断末魔の悲鳴と共に化け物の体が閃光に包まれ、やがて閃光が収まると其処には幼い子猫が横たわり、その横にジュエルシードが落ちていたのだ。
「良かった。怪我もなく済んで」
子猫に大した怪我がない事を知り安堵した少女がデバイスをジュエルシードに近づける。
そして、それを封印し、この場の脅威は去った。
「あ、あの…」
「ん?」
後ろからなのはが声を掛けた。
それを聞き少女は振り返る。
「あ、有難う。助けてくれて」
「君も魔導師なの?」
「えっと、うん!」
「そ、だったら…今すぐ止めた方が良い。君の腕前じゃその内ロストロギアに殺されるから」
そう言い残すと少女は飛び去っていく。
「あ、名前…行っちゃった…まだ自己紹介してなかったのに…」
なのはの前では大空へと飛び去っていく少女の後姿だけが見えた。
今から大声を発した所で聞こえる筈がない。
なのはからしてみれば命の恩人であり自分と同じ魔法少女との出会いだったのだ。
出来れば名前を聞きたかったし、どうせなら友達にもなりたかった。
だが、あの少女はジュエルシードの回収を終えるとその場から立ち去ってしまったのだ。
「あの子もジュエルシードを集めてるんだよね。だったら、きっとまた会えるかな? その時は、ちゃんとお礼を言って、名前を聞かせて貰わなきゃ。その為にも…もっと強くなる! もう皆のお荷物にならない様にもっと強くならなくちゃ!」
なのはの中である決意が芽生える。
少女に認められる為に。
そして、仲間達と肩を並べて戦う為に。
少女は更に強くなる事を決意した。
そんな少女を黙って夕日が見つめて、やがて沈んでいった。
つづく
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