暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第205話:絞り出される怒り
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ーガの大剣でも傷一つ付かない。逆にオーガは全力を乗せた一撃を弾き返され、大きく体勢を崩してしまった。

「ぐっ!?」

 弾かれた反動で仰け反ったオーガに、すかさず奏が一撃叩き込む。穂先に炎を纏った槍のフルスイングで、鎧に包まれたオーガの胸元を焼き切りながら吹き飛ばした。

「ぐぁっ!? く、このぉっ!」

 吹き飛ばされながらオーガは颯人から吸収したドラゴンブレスを奏に放つ。だが奏はそれを体を炎に変換する事で無力化し、そのままオーガに突撃して体を再構築し槍を振り下ろした。

「ハァァッ!」
「がはっ!? ち、だがなぁっ!」
〈イエス! スペシャル! アンダスタンドゥ?〉

 オーガが再びスペシャルの魔法を使った。大きく裂けて口の様に広がるオーガの体は、そのまま奏を一飲みにしようと迫る。

「その力毎、俺が全部食ってやるぜッ!」
「させるかよッ!」
〈インフィニティ―!〉

 奏がオーガに丸呑みにされようとした時、颯人がインフィニティーの指輪による超高速移動を発動。一瞬で奏の元へと近付き、彼女をオーガから引き剥がすと空振りしたオーガの背後に回りアックスカリバーで逆に一撃を叩き込んだ。

「ハッ!」
「がぁぁっ!? く、そがぁっ!」

 背後を取られて怒りに任せ大剣を振るうオーガ。だが颯人はそれを素早く回避し、攻撃を外して隙だらけになった所を奏が攻撃。槍の刺突でもんどりうって倒れた所に再び接近した颯人の蹴りが炸裂しオーガは一回転してひっくり返った。

「ぐはっ!?」

 颯人と奏のコンビネーションの前には、得意の”喰らう”魔法も使う暇がない。

 オーガが2人に圧倒されている頃、翼は響と共にミラアルクと対峙していた。

「立花、大丈夫か!」
「はい!」

 それまで1人でミラアルクの相手をしながら、時に横やりを入れてくるアルカノイズやメイジに手を焼かされていた響は翼が来てくれた事で精神的にも持ち直した。守るべきライブを守り、誰1人犠牲にせずに済んだ。その事実が自信となって響に力を与えてくれた。

 対して、ただ事では済まないのがミラアルクである。響だけでも彼女1人では持て余したと言うのに、翼まで相手にしていては敗北も覚悟しなければならない。
 しかも彼女には、単純に戦う以外の目的もあったのだ。しかし…………

――チッ、ありゃダメっぽいゼ。あっちの黄色と同じで、今は虚が突けねえ。クソッ! 本当だったらライブに便乗して揺さぶるつもりだったってのに……――

 奥歯を噛みしめながら苦い顔をするミラアルク。一向に攻撃を仕掛けて来ない彼女に、翼は様子を伺っていると見て先んじて攻撃を仕掛けた。

「来ないのか。ならばこちらから行かせてもらうッ!」

 足のブレードをブースターに
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