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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第205話:絞り出される怒り
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イツ等、明らかに前より強いデスッ!」
「洗脳されてるだけって話だったけど……」
背中合わせになりながら、メイジ達の強さに険しい表情になる切歌と調。連携により互いの隙を無くして単体でも多数でも相手取れる2人であるが、相手も互いに脳内で繋がっているかのような連携を取られては苦戦も免れない。今まで彼女達が戦ってきた相手は、単純に個で異常な強さを持つかただ単に数で押してくるかの二択が主だったのだから。
それでも険しい戦いを強いられながらも持ち堪えているのは流石と言ったところだろうか。
そして響は1人、自在に空中を飛び回りながら時に急降下しパワーを増強させた腕や足で攻撃してくるミラアルクを相手にしていた。
「くっ! 何でこんな事をッ!」
響は分からなかった。アリス達の話では魔法使いと錬金術師は仲が悪いと言う話だった。事実、時折目にするミラアルクとベルゼバブのやり取りを見る限り、両者の間に協調性の様な物は感じられない。ベルゼバブは明らかにミラアルクを見下しているし、ミラアルクは明らかにベルゼバブを敵視している。今にも互いに取っ組み合いを始めそうな両者が、何故こうして揃って立ちはだかるのかが響には理解できなかった。
「うるせぇッ! お前には関係の無い話なんだゼっ!」
「そんな事ッ!」
響からの言葉を一蹴し、上空から肥大化した両足による蹴りをお見舞いするミラアルク。響はそれをジャッキを引いたガントレットによる一撃で迎え撃ち、両者の攻撃がぶつかり合った結果周囲には衝撃波が発生し運悪く近くに居たメイジがその衝撃で吹き飛ばされた。
響はそのまま力を強く籠め、ミラアルクからのドロップキックを拳で押し返し殴り飛ばした。
「おぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「うぉっ!? この、馬鹿力がッ!」
まさか拳を振り抜いて蹴りを押し退けられるとは思っていなかったミラアルクは、空中でねずみ花火の様に回転しながらも何とか体勢を立て直す。そして顎先に流れてくる汗を拭いながら、再度響に突撃し今度は両腕を肥大化させての力比べに移行した。人外の腕となった両腕で掴みかかって来るミラアルクを響が正面から迎え撃ち、互いの手を押し合い互いの吐息が掛かる程顔を近付け合っての押し相撲が始まった。
両者一歩も引かず睨み合う2人。その時、ミラアルクが響の目を見ながら微かに笑みを浮かべた。
「……フッ」
「え?」
「分かるゼ、今イグナイトモジュールがあればって考えてるんだろう?」
「あっ!」
ミラアルクの言葉は事実であった。正面からの力比べであれば、単純に出力が上がる決戦機能であるイグナイトさえあれば圧倒出来る。だがあの機能は、先のパヴァリア光明結社との戦いの最中に失われてしまった。
アダムがサンジェルマン達から
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