第7話 バラージの青い瞳
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「砂漠の悪魔です。アントラーは道行く旅人を食らう恐ろしい魔物なのです」
女性の言葉には迫力があった。
その魔物とは恐らく怪獣の事だろう。
だが、そうだとしてもこのままずっと此処に居る訳にはいかない。
第一今のなのはには防衛手段がないのだ。
「それでも、皆の所に行きたいんです。お願いします」
「フフッ、貴方はノアの神の言った通りの子みたいですね。小さいながらも頑固な所があります」
「え? 私を知っているんですか?」
「ついて来なさい」
女性がそう言って歩き出す。
なのははその女性の後に続いて歩き出す。
見れば見るほど不思議な建物だった。
一面土を固めたような壁で作られている。
かなり古めかしい作りの建物であった。
そして、二人は神殿の奥に辿り着く。
其処には分厚いカーテンが掛けられておりそれを取り払うと、其処には何かの人を象った像が置かれていた。
「あ! ウルトラマン!」
其処に居たのは間違いなくウルトラマンであった。
そして、そのウルトラマンを象った像の手には青く輝く石が持たれていた。
(あれ? この光景、何処かで見た気が…)
それは此処に来る前になのはが見た夢と同じ光景だったのだ。
砂漠の都、綺麗な装飾を施した女性、ウルトラマンを象った像、青い石。
間違いない。これは夢で見たのと同じ光景だ。
「ノアの神です。ノアの神はかつて遥か昔にこの都に訪れた災いを振り払ってくれました。そして、神はこの青い石を守り石として託してくれたのです」
女性はそう言うとその場に跪き祈りを捧げる。
なのはも女性と同じようにその場に跪き祈りを捧げた。
何を祈ったかは祈っている者本人にしか分からない事でもある。
やがて、祈り終わった女性が立ち上がりなのはを見る。
「なのはさん」
「は、はい!」
「ノアの神が申しました。貴方にこの石を託すようにと」
そう言うと女性が像の持っていた石を取るとなのはに手渡す。
「え? で、でもこの石はこの町の守り石なんじゃ?」
「ノアの神のお告げです。きっとこの石が貴方を守ってくれると。それと、砂漠を歩いていくつもりならこれを着ていきなさい」
女性がなのはに手渡したのは黒い布であった。
「これはアバヤと言ってこの地の伝統的な衣装です。砂漠の日差しはとても強い。素肌を曝け出していては火傷になる危険があります。これで全身を覆いなさい」
「あ、あの…えっと…」
「私の名はチャータムです。礼など要りません。全てノアの神のお告げなのです。この町にはもう若者が居らず、広大な砂漠を歩く力を持った者は残念ながら居りません。ですが、この石がきっと貴方を守ってくれる筈です。貴方の旅の無事を祈っています」
「チャータムさん…」
其処から先の言
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