第7話 バラージの青い瞳
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そうは言っているが余り元気がない。
そんななのはにハヤタは心配そうに見つめていた。
なのはの肩に乗っていたユーノもまた心配そうに見つめていた。
それからまた少し歩いていた時だった。
なのはの視界が歪に歪みだしてきたのだ。
「あ、あれ? 目の前が…クラクラしだして…」
そう言った直後、その場でなのはが倒れてしまったのだ。
「なのは! どうしたの?」
「なのはちゃん!」
倒れたなのはを抱かかえたハヤタがそっと彼女の額に手を当てる。
「いかん、熱中症だ! 何処かで休める場所を探さないと」
「あ、ハヤタさん、あれ!」
ユーノが指差す場所。其処にはおぼろげながらも町が見えた。恐らくあそこなら涼める場所もあるだろう。
ハヤタは急ぎその町に向かった。
町は石造りの建物ばかりが建っておりその町に住むのは殆どが老人ばかりと言った不思議な町であった。
町の誰もがハヤタを珍しそうな目で見ていたのだ。
(この町には老人しか居ないのか?)
疑問に思うハヤタがそのまま町を歩く。すると、そんなハヤタの前に一人の女性が現れた。
明らかに彼女だけ年が若い。
それに格好も高貴な風に見える。
「貴方は一体?」
「私の名はチャータム。私は貴方達の到着をお待ちしておりました」
「僕達を待っていた?」
意味深な事を言うチャータム。
ハヤタはそれに眉を傾げた。
だが、今は詮索をしている場合じゃない。
「それよりチャータムさん。何処かで涼める場所はありませんか? 実は連れの子が熱中症に掛かってしまっていて」
「それは大変ですね! 神殿の方にお越し下さい。其処なら多少は涼める筈です」
「有難う御座います」
ハヤタは一礼してなのはを抱えたまま神殿の中に入っていく。
この都こそ、失われた幻の都こと、バラージの都なのであった。
***
ムラマツキャップとイデ隊員は必死にジュエルシードの捜索を行っていた。
が、懸命な捜索にも関わらずジュエルシードは発見出来ず照りつける太陽が二人の下に降り注いでいた。
「見つかりませんねぇキャップ」
「ふむ、仕方ない。一旦ビートルに戻ってフジ隊員に応援を頼もう」
仕方なくビートルに戻ろうとしたムラマツキャップとイデ隊員。
だが、ビートルがあった場所に向かったのだが、其処には何故かビートルの姿が何処にも見当たらなかった。
「あれ? おかしいなぁ。確か此処にビートルがあった筈なのに」
イデが疑問を感じながら前に進んだ。
その時、突如イデの足元が崩れだし体の半分がスッポリと埋まってしまったのだ。
「イデ! 大丈夫か?」
「キャッ、キャップゥゥ!」
イデが悲鳴を上げながらムラマツキャップ
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