第7話 バラージの青い瞳
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動けないマジンガーに向かいアントラーがハサミをギチギチ言わせながら迫ってくる。
そうはさせまいとウルトラマンが前に立ち、腕を十字に組んでスペシウム光線を放つ。
が、そのスペシウム光線でさえアントラーの分厚い甲殻を破る事は出来ず拡散して散ってしまった。
「そんな、スペシウム光線も効かないなんて!」
驚愕であった。
Zとウルトラマンのあらゆる攻撃が全く効かない強敵の出現であった。
既にウルトラマンの胸のカラータイマーも点滅しだしている。
後もって30秒位しか時間がない。
どうすればあのアントラーを倒せるのか?
「あ、そう言えば」
ふと、なのはは思い出したかの様にチャータムから貰った青い石を目の前に出す。
「お願い、ノアの神様。バラージの皆を助けて下さい」
必死に石に向かい祈るなのは。
すると青い石が閃光を放つ。
「え?」
青い光を放った石は何とそのままなのはの首にとりつけてあったレイジングハートに吸い込まれていった。
驚くべき光景であった。
「れ、レイジングハート…大丈夫?」
【大丈夫です。それよりも、あのアントラーを倒す方法が私達にはあります】
「ほ、本当!?」
【まずは私を起動して下さい。其処でお教えします】
「分かったよ」
言われた通りにレイジングハートを起動させバリアジャケットを纏いデバイスを手に持つ。
すると、突如レイジングハートの形状が変わりだした。
まるで銃口の様な形になったレイジングハートを持つ。
【マスター、デバイスの先端をアントラーに向けて下さい】
「こ、こう?」
【魔力エネルギーを収束します。私が合図したら引き金を引いて下さい】
「うん!」
頷くなのは。
するとレイジングハートの先端に桜色の魔力が集まっていく。
その光は今までのよりも遥かに大きく、そして輝いていた。
【出力50%突破、もう少しです】
「急いで! 急いで!」
なのはが急かす。
その前ではウルトラマンとマジンガーZが必死にアントラーと戦っている。
もう時間がない。
【出力98、99、100%! 今です】
「いっけぇ!!」
アントラーに向かい真っ直ぐ引き金を引いた。
すると収束した魔力砲が一気に放たれたのだ。
放たれた魔力砲はアントラーの胴体を貫いていく。
風穴を開けられたアントラーはそのまま力なくその場に倒れこみ、やがて爆発した。
「な、何だ? 今の攻撃」
マジンガーから見ていた甲児はすぐ下でなのはがレイジングハートを構えているのを見た。
「もしかして、なのはがやったのか?」
爆発し、脅威の去ったバラージの町。
ウルトラマンは空へ帰っていき、町には再び平穏が訪れたのであった。
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