第百三十話 寮生の弁当その十二
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「本当にね、それとね」
「それと?」
「さっきドラキュラ伯爵のお話したわよね」
「出るってお庭のところ行った時にね」
理虹はすぐに答えた、今はクラスに帰る道を進んでいる。
「したわね」
「ドラキュラ伯爵ってマントとタキシードでしょ」
この妖怪の服装の話をした。
「それでダンディよね」
「そんなイメージね」
「あれ実は違うらしいのよ」
「そうなの」
「原作だとね」
ブラム=ストーカーのそれではというのだ。
「何か如何にも東欧の吸血鬼っていう」
「痩せて不気味な」
「そんな風だったらしいのよ」
「そうなのね、何かね」
理虹は鹿児島の娘に考える顔になって話した。
「東欧の子達って吸血鬼怖がる子多いわよね」
「当たり前でしょ」
鹿児島の娘はすぐに答えた。
「もうね」
「そうなの」
「だってね」
それこそとだ、理虹にさらに話した。
「吸血鬼って世界中にいるけれど」
「日本にもよね」
「ええ、首飛ぶろくろ首もそうで」
これを飛頭蛮と呼ぶ場合もあるが実はこの両者は違う妖怪であるという説もありはっきりと別名とは言えないかも知れない。
「濡れ女だってそうで」
「本当に世界中にお話あるわね」
「キョンシーもそうだしね」
中国のこの妖怪もというのだ。
「それで特によ」
「東欧は」
「もうね」
それこそというのだ。
「吸血鬼の本場だから」
「怖がる子多いのね」
「実際実在のドラキュラ公なんて人もいたし」
ブラド四世という、人を串刺しにするので有名な人物だった。
「吸血鬼退治する人もいたし」
「ヴァンピールっていうのね。聞いたわ」
理虹は真面目な顔で答えた。
「吸血鬼を退治する専門職よね」
「そうした人達もいたし、何か今もね」
「いるのね」
「そうかも知れないしね」
「そうした人達がいるってことは」
職業でとだ、理虹は怪訝な顔で言った。
「実際吸血鬼が人を襲ってるのね」
「そうでしょうね」
「だから東欧の子達怖がるのね」
「この学校いたら妖怪いるのわかるし」
幽霊もだ、伊達に世界屈指の怪談スポットではないということだ。
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