再洗脳
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
アウラは得意そうな笑みを浮かべる。
やがて彼女の目は、最後に残ったビーストを捉える。
「ただの参加者なんて、もう欲しくないわ。ランサー、ゲートキーパー、それに今度参加者になるっていう彼……この三人を従えれば、十分に聖杯戦争も勝てそうじゃない」
彼女のガラスのように何も見ていない目は、もうビーストを敵とさえ認識していない。
無造作に天秤を振り、三人の異能者たちへ攻撃の命令を下していく。
「やりなさい。ランサー、ゲートキーパー、そしてあなたも」
「お前ふざけんなッ!」
ビーストの訴えなど通じるはずもない。
「コウスケさん逃げてッ!」
「実に不本意だ……!」
「くッ……」
響の拳、フロストノヴァの氷、パピヨンの蝶。
三つの攻撃を避けながら、ビーストはアウラを睨む。
「クソッ、どうすりゃいい……? 響だけでも助けようにも、もう令呪もラス一しかねえ……これ使ったら一体どうなるんだ?」
「試してみればいいじゃない。もっとも……」
ビーストが自らの令呪を見下ろしたその一瞬、その前後にフロストノヴァとパピヨンが並び立つ。
「この二人から逃げられるなら」
「くっ……」
「忌々しい……!」
氷と蝶が、両者より放たれる。
『2 ドルフィン セイバーストライク』
前後に走るイルカの幻影が、氷と蝶を相殺。
だが、極めつけに接近戦を挑んでくる響には、直接防戦するしかない。
「何でこの三人、こんなに連携いいんだよ……っ!」
「本当にゴメンッ!」
響は謝罪しながら拳を放つ。
放たれた拳が圧縮した空気圧がビーストの背後に停められていた車を粉々に破壊する。
その破壊力にゾッとしたビーストへ、さらにフロストノヴァの氷の雨が襲い来る。
「クソがっ……!」
『ファルコ ゴー ファ ファ ファ ファルコ』
ハヤブサのマントを右肩に召喚したビーストは、その裾を掴み、一気に振る。すると発生したオレンジの風が氷の雨を吹き飛ばす。
「ぐっ……!」
一瞬、フロストノヴァの体がふらつく。
口から吐血し、体が大きく揺れた。
「フロストノヴァ……! お前、体に負担がかかる能力なのかよ……!」
ビーストもその能力に戦慄する。
止めどなく赤い体液が流れ出ていくフロストノヴァ。
「まあ、アウラがそんなこと考慮するわけねえよな……」
「あら。貴女の能力、使い捨てなのね」
アウラは興味なさそうに吐き捨てた。
「後で首を斬り落とす手間も必要なさそうね」
「グッ……!」
歯を食いしばるフロストノヴァ。
だがアウラの命令は、彼女へ容赦ない氷の生成をさせていく。
さらに、その内部に仕組まれたパピヨンの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ