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Fate/WizarDragonknight
再洗脳
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 重傷を負ったパピヨンへ、アウラが笑みを浮かべた。

「しま……ッ!」
服従させる魔法(アゼリューゼ)

 パピヨンが気付くももう遅い。
 アウラの天秤による魔力は、飛びのいたフロストノヴァは逃したものの、それはパピヨンの体を大きく跳ねさせる。

「この俺が……っ!」
「その大量の爆発物の力、見せてもらおうじゃない」

 アウラが天秤を振るう。
 すると、パピヨンの腕から無数の蝶が放たれる。

「貴様……!」

 パピヨンは恨みのこもった目をアウラへ向けるが、アウラが気にすることはない。
 無数の蝶が群れを成し、ビーストとフロストノヴァへ向かっていく。

「くっ……!」

 舌打ちをしたフロストノヴァは、地面に手を当てる。
 すると、氷山が一気に生成され、蝶たちへの壁となり、その爆発から二人を守る。

「た、助かったぜ!」
「この場を切り抜けるには、他に選択肢はないな」

 フロストノヴァはビーストへ一瞬だけ目線を投げる。すぐに手を振り、防御として繰り出した氷をアウラへとスライドさせる。
 だが。

「ランサー」

 ネクロマンサーの吐き捨てるような命令とともに、響の腕が地面を砕く。
 アスファルトを砕き、その大きな部分が地面より剥がれ出る。フロストノヴァの氷を一身に引き受けたそれは、氷とともに砕けていく。

「あなたにはこれまでさんざん邪魔されてきたけど……その分、しっかり働いてもらうわ」

 アウラのガラスのように何も見ていない目が、じっとフロストノヴァを捉える。

「そうよ。そうじゃない。ここまで質のいい下僕がいるのなら、あんな数の有象無象、もともと必要なかったのよ。これならもう、ヒンメルだろうと参加者だろうと負けるようなことはないじゃない」

 アウラは告げながら、天秤を振る。

「やべえ! フロノヴァ逃げろ!」
服従させる魔法(アゼリューゼ)

 ビーストが叫ぶが間に合わない。
 すでに消耗したフロストノヴァは、抵抗する間もなくアウラの術中にはまってしまう。
 一瞬だけフロストノヴァの口から息が漏れたが、すぐにその

 大きく揺れた秤が、今度はフロストノヴァの自由を奪う。

「……!?」

 フロストノヴァは自らの体を見下ろした。
 彼女の体は、拙い動きを繰り返しながら、隣のビーストへ手を向けている。

「知ってたよ畜生が!」

 ビーストはバク転し、氷の氷弾を回避。その間にも、フロストノヴァはビーストより離れ、アウラの傍に立つ。
 結果、ビーストの前に響、フロストノヴァ、パピヨンの三人が並び立つこととなった。

「三人合わせてその程度の魔力……? こんなのに危機を感じていたなんて、七崩賢の名折れじゃない」
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