第9話:「お前はイーブイか!?」
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を挟まれながら感電死した。
「よ!」
「ギャアァーーーーー!」
「何でだよ!?魚系モンスターは雷に弱い筈だ!」
「アイツが取り込んだのは『かみなりのいし』だったのか?」
にも拘らず、手下Aの場違いで急な暢気は一向に治らない。
「マジックだなぁー」
「何を暢気な事を言ってんだ!死にたいのか!」
山賊が慌てる中、アムの身体が宙を浮き、再び歌い始めた。
「く!止めろ!くそ!他に俺の耳を塞ぐ奴は無いのか!?」
「この能力は……どの石の力だ?」
「石だと!?……あの箱の事か!」
山賊は慌ててグートミューティヒがアムに投げつけた箱に向かって走り、中にある進化の石を耳に詰めようとしたが、進化の石は山賊と同化するどころか力を貸す事すらしなかった。
「何も起きねぇ……と言うか、どう使うんだよこの魔石!?」
その直後、手下Aの悲鳴が木霊した。
「アーーーーー!?」
「今度は何だ!?」
山賊が見上げると、アムの目の前にある黒い渦の様な穴が手下Aの全身を、まるで掃除機が塵を吸引する様に吸い取っていた。
「ルナΛを使う魚系モンスターだと!?何でそんな奴がこんな所に!?」
アムが性懲りもなく再び歌を歌い始めたので、山賊が慌てて両手で耳を塞いだ。
「やめろ……やめろぉー!俺は毒歌を中和する耳栓をしてるんだ……そんな毒歌通用する訳ねぇだろぉー!」
慌てる山賊を見て、アムはどうやってトドメを刺そうか思案したが、ふとグートミューティヒの心配そうな表情が見えたので、山賊へのトドメを諦めた。
「だったら失せな。アンタ、私の好みじゃないんだよねぇー」
アムが歌うのを止めた途端、山賊は捨て台詞を吐きながら走り去った。
「くそぉー!覚えてやがれ!」
そんな山賊の悪い意味で諦めの悪い性格に呆れるグートミューティヒ。
「言っちゃうんだソレ。こいつとまた戦う羽目になる事を誘発する台詞を」
グートミューティヒが箱の中身を確認し、進化の石が残り8個である事を確認した。
「パワーアップしたあいつの歌を防げなかった時点で、進化の石を見限ったか?もったいない事を……」
で、問題は2種類の進化の石と同化してパワーアップしたアムをどうするかである。
「箱の中身からして……君が取り込んだのは『かみなりのいし』と『やみのいし』と言ったところか……まるで重力を操る雷雲だな」
一方のアムは、頭を掻きながら溜息を吐いた。
「……白けたわ。もう戦う気が無いわ」
「それは、例の借りの事を言っているのか?それなら、君が無事に進化した時点で既に無効だろ?」
「借りねぇ……私、アンタに何を貸したっけ?」
「良いのかいそんな事を言って?もったいないぞ」
「良いわよ。覚えてないって事は、そこまで興味が無いって事なんでしょ?」
アムが既に殺意を失っている事を察したグートミュー
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