第9話:「お前はイーブイか!?」
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、その体は怒りで揺れていた。
そうとは知らずな山賊は、ヒトカゲを再び叩きのめす為にグートミューティヒに命令する。
「どきな小娘。お嬢ちゃんが余計な真似をしたせいで、せっかくのモンスター退治が1からやり直しになっちゃったじゃねぇか」
だが、グートミューティヒは退くどころかヒトカゲを庇う様に立ち塞がった。
この展開は、アムにとって予想外で理解不能な展開であった。
(アイツ!?……何でアイツはモンスターを?今まで私が差し向けたモンスター全部倒したくせに)
が、アムはグートミューティヒに言われたある言葉を思い出した。
(種類や分類が違うの何処が戦う理由なのか……アイツ……それを本気で……)
それに……
「モンスター退治が悪者扱いだと?このアマは本当に馬鹿だなぁ」
ポケモン以外のモンスター側から観ても、ヒトカゲを庇うグートミューティヒへの誹謗中傷は非常に腹立たしかった。
(いや、最早糞女の言い分なんかどうでも良い!あいつらを皆殺しにしなきゃ気が済まないわ!)
そして……アムは遂に山賊を挑発してしまった。
「おい。そこの屑共」
「お?モンスターがもう1匹いたか?」
「人間風情が私達モンスターに歯向かうなんて、10000年早いわ」
アムがグートミューティヒの代わりにヒトカゲを虐待した山賊を倒してくれるのはありがたいが、それに関してグートミューティヒは1つ気になる事が有った。
「戦うのは良いけど、他に武器有るの?」
グートミューティヒのこの質問に対し、山賊は鼻で笑った。
「武器だぁ?どこに目を付けてんだお前?」
一方のアムは……自分の致命的なミスに気付いて蒼褪めた。
「歌とぉー……後は噛みつきと引っ掻きぐらいでぇー……」
グートミューティヒはアムの想定外の無謀さに頭を抱えた。
とは言え、歌以外に武器が無い以上、アムはただ歌うのみであった。
しかし、
「生憎だったなぁー。こっちには、モンスターの毒歌を中和させる耳栓が有るんだよ」
山賊達のこの言葉に、アムはますます蒼褪める。
「嘘でしょ……」
「はあぁ……しょうがな」
ここはやはり自分の出番だと思いかけたグートミューティヒであったが、ここでアムの代わりにヒトカゲを虐待した山賊を退治したら、アムのモンスターとしての誇りはどうなるのか?
とは言え、このままほっとけばアムはヒトカゲを虐待した山賊に敗ける。もとい、殺される。
で、アムのプライドを傷付けずに山賊を倒す方法は在るのか?
いや……1つだけ方法が有った!
「選べぇー!」
グートミューティヒはある箱をアムに投げつけた。
そして、その箱に見覚えがあるアムは、あの時の失神を阻害する程の激痛を思い出して恐怖で体が震えた。
「選べって……この箱に入ってる石って、私を散々痛め付けた奴じゃ……」
だが、今のアムに
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