第4話 マジンガーZ危機一髪
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激戦を終えた甲児達となのは達は兜十蔵博士の居た地下施設を訪れていた。そして、其処に横たわる十蔵を見た。
十蔵は死んでいた。もう孫達を見ても何も言わない。目も開かない。静かにその場に横たわっている姿が其処にあった。
「お爺ちゃん…嘘だろう? 何で死んじまったんだよお爺ちゃん!」
「何でだよぉ! 何で死んじゃったんだよぉお爺ちゃん! 俺にも作ってくれよぉ! 兄貴だけずるいよ! 俺にもマジンガー作ってくれよぉ!」
「シロー君」
物言わなくなった祖父、兜十蔵を前に甲児とシローは泣き崩れていた。
そんな二人をなのはとさやかは黙って見ていた。
「レイジングハート。どうして十蔵さんは亡くなったの?」
【兜博士はどうやら大分前から癌を患っていたと思われます。恐らく相当無茶をなさっていたと見られます】
「そ、そんな…あんなに元気だった十蔵さんが癌だったなんて…」
レイジングハートから告げられた事は余りにも非情な物であった。
それを聞いた甲児がなのはの持っていたレイジングハートを見る。
「何言ってんだレイジングハート! あんなに元気だったお爺ちゃんが癌だったなんて信じられるかよ! 嘘だと言ってくれよ!」
【残念ですが正確なデータを元に私は言っているだけです。これは揺ぎ無い事実なのです】
「ざけんじゃねぇ! てめぇには良心ってのが備わってねぇのかよ! 良くそんな冷てぇ事が言えんなぁ」
涙目になりながら甲児は怒鳴りだした。悲しみに心が打ちつけられたのだ。大好きな祖父が死に、その悲しみがぶつけようのない気持ちを何処かにぶつけなければ自分がおかしくなりそうな気持ちになって行く。そんな甲児に冷たく言い放ったレイジングハートに向かいその憤りをぶつけだしたのだ。
その甲児の怒りをレイジングハートを手に持っていたなのははまるで自分に言われているような錯覚を感じていた。無理もない。甲児自身は目の前の赤い球に言っているつもりだろうがなのはから見ればそれは自分に言われているような気になってくる。
怖かった。今の甲児は最初に会った時の気の良い優しい好青年の印象などまるでない。怒りの悲しみに打ちひしがれておりその怒りをレイジングハートやなのはにぶつけようとしているのだ。
「落ち着きなさい甲児君。気持ちは分かるけどなのはちゃんやレイジングハートにあたるのは大人気ないわよ!」
そんな場面を見兼ねたのか、いきり立つ甲児をさやかが宥める。
しかしそんな程度で落ち着く甲児ではなく、逆にさやかを突き飛ばしてしまった。突き飛ばされたさやかはそれでも尚甲児を睨む。どうやら彼女は気が強い性格のようだ。この程度の事で折れる心は持っていないようだ。
「何すんのよ!」
「五月蝿い! あんたに何が分かるってんだ! 大事なお
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