第4話 マジンガーZ危機一髪
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て事になるのか?」
甲児が自身を指差して尋ねる。それに対しレイジングハートは【無論です】と無情にも応えた。それを聞かされた甲児はガックリと首を落とす。
「ひ、ひでぇ…ちょっとショック」
「こ、甲児さん! 前、前ぇ!」
「えっ?」
なのはが仕切りに指差す方を見る。
其処には再び二つに分かれたドグラとマグラが迫ってきているのだ。
「くそぉ、何とかしてあの分裂を止めねぇと」
「止める…そうだ! さっきユーノ君がやってたバインドを使えば」
「無茶だよ。バインドって言ったって限界があるんだ。あんな巨大な機械獣の動きを封じるなんて普通じゃ出来ないよ。それに素人の君じゃ―――」
「やってみなくちゃ分からないよ」
ユーノの静止を振り切りなのはは目を閉じて集中する。
勝負は一瞬。外せば多分こっちが負ける。決して許されないのだ。
カッとなのはが目を開いた。そして目の前にやってくる二体の機械獣を睨む。
「お願い! 行って、バインド!」
なのはが叫ぶ。
すると、突如Zの中から桜色のバインドが複数放たれた。それは寄って来た機械獣の胴体、両手足にとりつけられ再び一体の機械獣に戻されてしまった。しかも互いの手で拘束されている為満足に振るう事も出来ない。
「出来た! 出来たんだ! 甲児さん、今ですよ!」
「おうよ、次は俺が決めてやるぜ!」
なのはの言葉に答える為にも甲児は目の前に迫る機械獣を見る。
上手く歩けないのか足取りは遅い。格好の的であった。
「よくも俺達の家をぶっ壊してくれたな! たっぷり礼はしてやるぜ。ブレストファイヤー、ゴー!!」
甲児が叫び、ボタンを押す。
それに連動してZの胸に取り付けられていた赤い放熱板に光が灯り、其処から熱線が放たれた。とても熱い熱線であった。
それを全身に浴びた機械獣はドロドロに溶け出して行った。その時間は僅かに10秒足らず。目の前にはかつて機械獣であったであろうゲル状の物体がその場に落ちていた。
「か、勝った…見たか機械獣め! これがマジンガーZの力だ!」
勝利を確信し、天に向かって拳を突き出して叫ぶ甲児。
「やりましたね。甲児さん」
「有難うよ。でもなのはちゃんのお陰だぜ。君が居なかったら今頃どうなってたか…」
思わず身震いする甲児。もしあの時彼女が居なかったらきっと勝てなかっただろう。そう思えたのだ。
だが、それらも全て過去の話。こうして彼女が居てくれたお陰で甲児は機械獣を倒し、静かな夜を取り戻す事が出来たのだから。
つづく
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