第3話 始動、マジンガーZ
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まった。正しく神にも悪魔にもなれる力とはこの事を言うのだろう。
「すげぇ……すげぇよお爺ちゃん! このマジンガーZは本当に無敵のロボットだったんだねぇ!」
『ガッハッハッ! 当たり前じゃろうが! ワシが作ったロボットは天下無敵じゃぁ!』
「良いなぁ、兄貴こんな凄いロボット貰って」
シローが物欲しそうな顔をしてそう呟く。それを聞いたのか十蔵がフッと笑みを浮かべる。
『すまんのぉシロー。お前のを用意する時間がなかったんじゃわい』
「気にすんなよお爺ちゃん。それなら俺のもまたすぐに作ってくれりゃ良いしさぁ」
『残念じゃが、それは無理じゃ……ワシにはもう時間が……』
その言葉を言い終わる前に十蔵は倒れた。その光景を見た甲児がハッとする。
「お、お爺ちゃん!」
『グゥッ……すまんな、甲児…シロー…お前達の両親を殺したのはワシじゃ……そのマジンガーZは、ワシなりの罪滅ぼしみたいな物じゃ。ワシが死んだらお前達兄弟だけになってしまう……じゃが、マジンガーZがあればお主は世界一強い男になれる……甲児よ、そのマジンガーZでどの様な道を歩むか? あの世から見させて貰うぞ! フフフッファアアァァァッハッハッハッ……』
その言葉を最後に十蔵は倒れた。もう何も言わない。何を言っても答えない。兜十蔵は、今日この日にその命を賭した最高傑作を残し、この世を去った。甲児の目から止め処なく涙が溢れ出る。
「嘘だ…嘘だろ? お爺ちゃん……お爺ちゃああああああああああん!!!」
甲児は叫んだ。それに呼応するかの様にマジンガーZもまた、天に向かい雄叫びを挙げた。機械の発する駆動音が、あたかもZ自身の叫びにも聞こえてきた。
つづく
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