暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーヒーロー戦記
第3話 始動、マジンガーZ
[10/10]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
まった。正しく神にも悪魔にもなれる力とはこの事を言うのだろう。

「すげぇ……すげぇよお爺ちゃん! このマジンガーZは本当に無敵のロボットだったんだねぇ!」
『ガッハッハッ! 当たり前じゃろうが! ワシが作ったロボットは天下無敵じゃぁ!』
「良いなぁ、兄貴こんな凄いロボット貰って」

 シローが物欲しそうな顔をしてそう呟く。それを聞いたのか十蔵がフッと笑みを浮かべる。

『すまんのぉシロー。お前のを用意する時間がなかったんじゃわい』
「気にすんなよお爺ちゃん。それなら俺のもまたすぐに作ってくれりゃ良いしさぁ」
『残念じゃが、それは無理じゃ……ワシにはもう時間が……』

 その言葉を言い終わる前に十蔵は倒れた。その光景を見た甲児がハッとする。

「お、お爺ちゃん!」
『グゥッ……すまんな、甲児…シロー…お前達の両親を殺したのはワシじゃ……そのマジンガーZは、ワシなりの罪滅ぼしみたいな物じゃ。ワシが死んだらお前達兄弟だけになってしまう……じゃが、マジンガーZがあればお主は世界一強い男になれる……甲児よ、そのマジンガーZでどの様な道を歩むか? あの世から見させて貰うぞ! フフフッファアアァァァッハッハッハッ……』

 その言葉を最後に十蔵は倒れた。もう何も言わない。何を言っても答えない。兜十蔵は、今日この日にその命を賭した最高傑作を残し、この世を去った。甲児の目から止め処なく涙が溢れ出る。

「嘘だ…嘘だろ? お爺ちゃん……お爺ちゃああああああああああん!!!」

 甲児は叫んだ。それに呼応するかの様にマジンガーZもまた、天に向かい雄叫びを挙げた。機械の発する駆動音が、あたかもZ自身の叫びにも聞こえてきた。




     つづく
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ