第3話 始動、マジンガーZ
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の場は感心出来る。
「ま、良いや。バイクと同じ要領でやってみりゃ上手くいくだろう」
操縦桿を握り締めてエンジンを始動させる。するとパイルダーはゆっくりと上昇していく。それに甲児の心は歓喜に震えるのを感じた。
「すげぇ! 見ろよシロー。俺達飛んでるんだぜぇ!」
「良いからさっさとドッキングしてくれよ兄貴ぃ、このままだと本当に俺達の町が火の海にされちまうよ」
「っとと、そうだったな」
慌ててそれに気づいた甲児がパイルダーを移動させる。Zの頭部には何かをはめるかの如くポッカリと穴が開いていた。あそこにパイルダーを入れればZは動く筈だ。甲児は直感した。
「ようし、俺の言う通りにしてくれよぉ」
祈るように呟き、甲児は叫んだ。
「パイルダァァァァ・オオオォォォォン!!!」
甲児の叫びに呼応し、パイルダーの両翼の二枚の翼は折り畳まれ、そのまZの頭部とドッキングした。Zの両目が光り輝き全身に力がみなぎってくる。
「こ、これがマジンガーZか。これが……俺の力になるってのか?」
Zとドッキングした甲児は驚きに包まれていた。視界が一変した。全てが小さく見える。まるで自分自身が巨人になったかのようだ。これが祖父十蔵の言う神にも悪魔にもなれる力だと言うのだろうか。
「成功じゃ! 甲児よ、貴様は今日から超人になったんじゃ! その力は今日からお前の力じゃ!」
「分かったぜお爺ちゃん! よぉし、見てろよぉ。俺達の町をぶっ壊したツケを払わせてやらぁ!」
腕を鳴らしそう言う甲児。するとZの足元の床が急に持ち上がりだした。それと同時に天井の壁が二つに割れだす。
「な、何だ? 外に出られる」
「甲児、戦いは喧嘩とほぼ変わらん、思う存分ぶちのめすが良いわい!」
「あぁ、喧嘩は俺の十八番だ! 見ててくれ、お爺ちゃん」
目を輝かせながら甲児は外の光景を目の当たりにする。外では二体の魔神が我が物顔で暴れ狂っている。その下では大勢の人々が逃げ惑っているのが見える。
その人たちを踏み潰そうと追い回す二体の巨人。許せる光景ではなかった。
「やいやいてめぇら、弱い者いじめも其処までだ! この俺とマジンガーZがてめぇらの相手をしてやるぜぇ!」
操縦席から甲児が叫ぶ。その声を聞いたのか、二体のマジンガー一斉にマジンガーZを見る。今度はマジンガーZを標的と定め二体同時に襲い掛かってくる。
「あ、兄貴ぃ! 来る、来るよぉ!」
「黙ってろ! 舌噛むぞ!」
慌てふためくシローを黙らせて甲児は操縦桿を握る。それを迎え撃つようにZを走らせる。
だが、それに対しZ自身は敵に向かわずその場でクルクルと回転しだしたのだ。
「わあああ! どうなってんだぁこれはぁ!」
「しっかり
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