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金木犀の許嫁
第二十一話 里帰りの準備その四

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「今十五歳で」
「あと八十五歳ね」
「どれだけ先ですか」
 眉を曇らせて言うのだった。
「それこそ」
「私だって今十七だし」
「あと八十三歳ですね」
「ええ、けれどね」
「そこまで長生き出来ますか」
「実際そう言われてきてるのよ」
 白華にこうも話した。
「人間の寿命はもうね」
「百歳まで、ですか」
「人生百年ってね」
 その様にというのだ。
「言われてるのよ」
「それは凄いですね」
「それでよ」
「私達も人生百年ですね」
「そうなることを目指して」
 そうしてというのだ。
「健康に気を付けていきましょう」
「それなら運動をして」
 健康に気を付けてと言われてだ、白華は言った。
「バランスのいいお食事、煙草も吸わない」
「私達は出来てないかもだけれどお酒は程々ね」
「飲む時飲みますからね、私達」
「それで間違っても麻薬なんかしなくて」
 こちらは厳禁だというのだ。
「よく寝ることね」
「睡眠も大事ですね」
「そうよ、そうした生活を送れば」
「長生き出来ますね」
「きっと百歳までよ、お仕事しても」
 そうであってもというのだ。
「やっぱり過労はね」
「よくないですね」
「過労はね」
 これはというと。
「何といってもね」
「絶対に駄目ですね」
「過労死なんてね」
 それこそというのだ。
「するものじゃないわよ」
「よく聞くお話ですが」
「長生きしたいなら」
「お仕事も程々ですね」
「ブラック企業にいても」
「いいことはないですね」
「人を大事にしない会社は遅かれ早かれ潰れるし」
 そうなる運命だというのだ。
「そのうち人がいなくなってね」
「人を大事にしないと」
「どんどん潰れるか去って」
 人がというのだ。
「それでね」
「近寄る人もいなくなりますね」
「そうなるからね」
 だからだというのだ。
「そうした会社はね」
「ブラック企業はですね」
「働いていてそうだとわかったら」 
 その時点でというのだ。
「去ることよ」
「そうすることですね」
「さもないとね」 
 それこそというのだ。
「自分が潰れるから」
「そして長生き出来ないですね」
「それでよ」
「長生きしたいなら」
「まともな、ホワイトの企業に入って」
 そうしてというのだ。
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