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金木犀の許嫁
第二十一話 里帰りの準備その二

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「夜空ちゃんと佐京君が大学まで行って」
「就職して」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「落ち着いてからだから」
「結婚は」
「まあ二十四かしら」
 二人がというのだ。
「その年齢になってからね」
「二十四歳ですか」
「多分ね」
 考えつつ言うのだった。
「その頃にね」
「あと八年位先ですね」
「かなり先よね」
「私達からしてみればそうですね」
「何でも大人になって」 
 真昼はそれでと白華に話した。
「歳を取るとね」
「八年はですね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「あっという間らしいけれど私達はね」
「違いますね」
「長いわよね」
「小学校の六年より長いですから」
「二年もね」
「長いですね」
「小学校の時って時間長かったわよね」
 こうもだ、真昼は言った。
「本当に」
「そうでしたね、一年一年が」
「凄くね」
「今思うとそうですね」
「それがね」
 今はというのだ。
「何でも歳を取ったら」
「八年もですか」
「あっという間らしいわ」
「そうですか」
「一年なんてね」  
 小学校の頃は長く感じたそれだけの時間がというのだ。
「あっという間らしいわ」
「そうですか」
「ええ、それでその八年がね」
「終われば」
「二人が就職して落ち着いたら」
「結婚ですね」
「正式にそうなって」
 そしてというのだ、真昼は白華に顔を向けて優しい微笑みを浮かべてそのうえで彼女に語っていくのだった。
「それでね」
「私達は姉妹になるんですね」
「三人姉妹よ、ただね」
「ただ?」
「私から見れば弟も出来るわね」
「兄さんですね」
「そう、佐京君がね」
 彼がというのだ。
「そうなるのよ」
「夜空さんと結婚されて」
「そうなってね」
 それでというのだ。
「その時は」
「ううん、何かです」
 ここまで聞いてだ、白華は考える顔になって言った。
「結婚って兄弟が増えるものなんですね」
「兄弟も親も他の親戚の人達もね」
「増えるものですね」
「人と人が結びついて」
 そうなってというのだ。
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