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オズのエマおばさん
第九幕その五

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「僕も食べようと思っていたけれど」
「君はどのクレープを食べたいのかな」
「中に苺のアイスが入ったね」
 カルロスに答えました。
「そのクレープをいただくよ」
「そちらだね、じゃあ取るよ」
「あっ、いいよ」
 トトはカルロスの足下から彼に言葉を返しました。
「僕が取るから」
「自分でそうするんだ」
「だからね」
 そうするからだというのです。
「気遣いだけ受け取らせてもらうよ」
「じゃあジャンプして」
「そう、こうしてね」 
 こう言って実際にでした。
 トトはジャンプしてそうしてそのクレープをお口で取って着地しました、そうして美味しそうに食べつつ言いました。
「取れるからね」
「いいジャンプだったね」
「そう言ってくれるんだね」
「君ジャンプ力あるのよね」
「あら、前はそんなにジャンプしなかったのに」 
 おばさんはそのトトを見て言いました、今はおじさんと一緒にキャラメルの木のところに来て食べています。
「変わったわね」
「そうだね、オズの国に来てから」
 おじさんも言います。
「トトはカンザスにいた時以上にね」
「運動する様になったわね」
「走るのも速くなってね」
「ジャンプ力も上がったわ」
「そうなったよ」
「カンザスにいた時以上に運動する様になってね」
 トトはお二人に答えました。
「栄養も充実してるしね」
「そうなったのね」
「運動神経がよくなったんだね」
「体力もついてね」
 そのうえでというのです。
「そうなったよ」
「そうなのね」
「トトもオズの国に来て変わったんだね」
「うん、しかも歳を取らないし」 
 お二人に尻尾を振ってクレープを食べつつ言います。
「喋られる様にもなったしね」
「いいことばかりね」
「トトにとってもオズの国に来て」
「何よりもドロシーとずっと一緒にいられるから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「嬉しいのね」
「そのことが何よりも」
「そうだよ、外の世界だと何時かいなくなるけれど」
「誰でもね」
「外の世界ではそうなるね」
「それがね」
 オズの国ではというのです。
「ずっと一緒にいられるから」
「そのことが何よりも嬉しいのね、それはね」 
 おばさんはトトの言葉を受けて言いました。
「私達も同じよ」
「そうだよ」
 おじさんも頷いて言いました。
「何といってもね」
「ずっとドロシーと会えることが嬉しいわ」
「最後の審判の後でと言わず」
「ずっとというのがね」
「そうだよね、運動神経がよくなったことも嬉しいけれど」
 それ以上にというのです。
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