第1話 不思議な出会い
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士郎と母の桃子が居た。
父の士郎は新聞を読みながら机に座っており、母の桃子はいそいそと朝食の支度をしている。
「あ、おはよう、なのは。一人で起きられたんだね」
母の桃子がなのはに笑顔でそう言う。
「おはよう。一人で起きられたな。偉いぞ」
新聞紙を目の前から退けて父の士郎もなのはに笑顔で言う。
そんな二人に笑顔でなのはは返し席につく。
「そう言えば、お兄ちゃんとお姉ちゃんは?」
「恭也と美由紀なら道場で稽古中だ。多分もう戻って来る頃だろうな―――」
そう士郎が呟いていた時だった。噂をすればその二人がやってきた。
兄の恭也と姉の美由紀の二人だ。二人とも首にタオルを巻き流れ出る汗を拭っている。相当鍛錬をしていたのだろう。
そんな二人が同じように席につく。
目の前には母桃子が用意したであろう朝食が用意されていた。ボールに入れられた色取り豊かなサラダにトースト。そしてカリカリに焼かれたベーコンと目玉焼きと朝を始めるには丁度よい内容でもあった。
「いただきます」
一同は手を合わせてそう言い、食事を始める。
その間、兄の恭也が姉の美由紀の制服のリボンを直したり。前では父の士郎と母の桃子が互いに笑い会っている。
なのはは、何故か家族の中で自分だけが浮いた存在なのでは…と苦笑いでその光景を見ていたのでだった。
***
朝食を終え、何時もの用に通学バスに乗り、何時もの様に友達と何気ない会話や将来の話をしたり、何時もの様に学校の授業を受ける。代わり映えの無い毎日が行われていた。
そして、なのは自身もそんな代わり映えの無い毎日で終わるだろう。
そう思っていた。その時だった。
【助けて…誰か、助けて…】
(今の声…夢の声と同じ!)
声が聞こえた。夢で聞こえた声と同じ声だった。
隣に居る友人であるアリサ・バニングスと月村すずかの顔色を伺ったのだが二人とも声が聞こえたようには見えない。恐らく聞こえたのは自分だけなのだろう。
だが、何故?
何故自分だけ聞こえるのか?
「どうして、私だけに聞こえたんだろう」
誰にも聞こえない声で呟いた。
そんな時だった。
【お願いします…助けて下さい】
まただ、またあの声が聞こえてきた。
声色や内容からして誰かが私に助けを求めてきている。だとしたら放って置く訳にはいかない。声のしたのは恐らくこの近くだ。なのはは急ぎ林の奥へ駆け込んでいく。
「ちょっと、どうしたよのなのはぁ!」
友達のアリサが声を荒立てる。三人はこの後塾に向かう途中であった。
しかも空は夕暮れ。急がないと遅刻確実だ。
「どうしたんだろう? なのは」
「しょうがないわねぇ」
心配になるすずかに溜息をつきながらもアリサは頷き、すずか
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