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八条学園騒動記
第七百五十四話 未成年なのでその三

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「いいものだったんだ」
「そうなのね」
「そこまで聞いてな」
 そうしてというのだ。
「俺はな」
「煙草が嫌いになったのね」
「何があっても吸うものかとな」
 その様にというのだ。
「今は思っている」
「そこまで嫌いなのね」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「その親戚はもういない」
 ダンは眉を曇らせた状態で話した。
「仕事をしていない」
「じゃあお金ないわね」
「しかもそんな奴だからな」
「どうしようもない人ね」
「だから結婚して紐になっていたが」
 ダンは敢えてこの表現を使った、ジゴロではなく紐だと極めて強い蔑みの言葉を以て語ったのだった。
「愛想を尽かされてな」
「逃げられたのね」
「そうなった」
「それじゃあね」
「ちなみに家事もしなかった」
 結婚している間というのだ。
「それで偉そうに言うだけだった」
「主夫もしなかったの」
「全くな」
「つくづく屑ね」
 エイミーは軽蔑に満ちた声で述べた。
「聞けば聞く程」
「それで金がなくなって闇金に手を出して」
「ああ、払えなくなって」
「そうなってな」
 借金で首が回らなくなりというのだ。
「そちらに連れて行かれた」
「誰も助けなかったのね」
「自分しかなくて感謝しなくて恩知らずで人に何もしない」
「そんな人だと誰も助けないわね」
「お世話になっている人達の文句も矢鱈言っていた」
「それなら尚更ね」
「それで誰も助けなかったからな」
 だからだというのだ。
「そちらの人達に連れて行かれて」
「行方不明ね」
「何でも裏の世界でずっとタコ部屋に入れられているらしい」
「それで借金返してるの」
「ああ、しかしな」
 それでもと言うのだった。
「出て来てももうな」
「誰も助けないのね」
「あまりにも酷い奴だからな」
 そうであるからだというのだ。
「本当にな」
「誰も助けなくて」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「地獄に落ちてもな」
「いいのね」
「ああ」
 そうだというのだ。
「本当にな」
「そう思ってるのね」
「若し出て来ても一文無しで家も何もないんだ」
「助けなかったら」
「野垂れ死にだ」
 そうなるというのだ。
「働いたことは殆どないしな」
「刺客とか実績とか肩書もないのね」
「働いくことはあってもな」 
 そうしてもというのだ。
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