新生活へ向けて……
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なんて大きな建物を国民の為に大量に作るとなれば、それはもう大金が必要になるワケで……」
「うん。その資金は何処から捻出したんだろ?」
「当時……まぁ今も多少はですけど、幅を利かせていた貴族から税金を徴収するって提案を強行したんです」
「『強行』って事は話し合いなんて……」
「してません。俺等の知るリュカ様節炸裂ってヤツです(笑)」
「実家のお祖父様がよく被害に遭ってるよ(笑)」
あの人の凄さ……笑ってる場合じゃ無いんだけどね(笑)
「話し合いも無い。見ず知らずの下級民に金を使う。しかもその税金の所為で自分等の生活水準が激しく低下する。プライドが高い人じゃ無くても、そんな状態を素直に受け入れる者は少ないでしょう。大勢の貴族が武力を持って立ち上がったんです」
「リュカ様に武力行使かぁ……申し訳ないけども笑ってしまうなぁ(笑)」
「その通りで、クーデターというのか、反乱と言うのか、リュカ様が治世について初めての内乱は1時間で終わりました。反乱側の準備期間の方が遙かに長いですよ。でも反乱は反乱……参加した貴族等は財産・家柄・権力とか全て没収。『一般の平民として生活するならこれ以上は罰しないよ』との事で、処刑とかされる者は居なかったそうです。多少の生活金は与えたみたいですが、これまで我が儘に育ってきた生活力が欠如した元貴族なんかは、生活が困難になりすぎて犯罪者になって罰せられた者が居るみたいですが、半分以上は生き残ったみたいです」
「その結果、王都内に大きな空き屋敷が多数在るわけか」
「はい。先程の旧マルンハック公爵邸もその一つで、管理は国がしてるみたいです。本心としては早く売れてほしいんでしょうね」
「だろうねぇ……とは言え取り壊すにも金が掛かるしね」
「そうです。で、この事はグランバニアの義務教育の近代史で教えられる内容なんです。だからグランバニアで義務教育を受けた者は皆が知ってる(はず)な事なんですよ」
ルディーさんにグランバニア近代史を教えている内に、待っていた魔道人員輸送車が到着。乗り込んで空いた席に座る。
優しいルディーさんは窓際席を譲ってくれて俺も素直に譲られる。
本当にお兄さんが出来たみたいで嬉しいんだよね。
もう既に暗くなった町並みを魔道人員輸送車の窓から眺めて考える。
結局はデボラさんの我が儘を如何するのだろうか?
中古も駄目(ヤダ)、新築でも小さいのは駄目(ヤダ)、一先ずの仮住まいも駄目(ヤダ)って事で、打つ手無しに見える。
まぁ後はリュカ様とかが何とかするだろう。(特にリュカ様が力尽くで)
俺に出来る事なんか何も無いだろうし、父さんに頼んでも何も出来ない事柄なのは間違いないし、申し訳ないけども俺は傍観者になるしか出来ない。
でもデイ
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