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リュカ伝の外伝
新生活へ向けて……
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ら外に出す。
随員のボディーガードも無駄のない動きでそれに従う。

「じゃぁ私達はホテルに帰るわ。アンタは別なんだから勝手に帰りなさい。じゃぁね、また明日」
ルディーさんに告げ、メイド(偽物)に案内されながら魔道人員輸送車(バス)停へ去って行くデボラさん。
凄いインパクトの人だな。

「根は悪い人じゃ無いんだけどなぁ……デイジーの事も溺愛してるし、芸高校(芸術高等学校)への受験や入学を全力でサポートしてたし……あの我が儘さえ無ければ」
「こんな事を言うのは今更ですが、デイジーさんの一人暮らしって方法は無いんですか? さっきルディーさんも言ってましたけど、一人暮らしが無理ならルームシェアだって選択肢の一つだと思いますけど?」

「伯母さんがね……子離れ出来てないんだよ」
「……はぁ?」
預かっていたであろう旧マルンハック公爵邸の鍵を使い、出入り口や門を施錠しながら、疲れた声で話してくれる。

「この話は広めないでもらいたいけど、デイジーのお父さん……遺伝学的な父親ね……が、誰なのかは明確にされてないんだ」
「え!? 何で?」

「さぁ……言いにくい相手なんだろうね。伯母さんも我が儘だし言いたくないんだろう」
「そ、それで良いんですか?」
「良くはない。でも取り敢えず落ち着いた懸案だから蒸し返すのも……ねぇ」
「それは……そうですね」

「兎も角も、そんなワケで伯母さんは(デイジー)から離れたくない。でも我が儘いっぱいに育ってきたから、それが罷り通らない人生は嫌。結果……こうして僕は寒空の下ピパン君と魔道人員輸送車(バス)を待っているんだ。人生って解らないね(笑)」

「あははっ、確かに!」
「う〜ん、でも不思議だなぁ?」
ちょっと笑ったところでルディーさんが何か疑問を思い付いた。

「昨日・今日と数件の屋敷を巡って来たんだけど、グランバニア王都って大きめの空き屋敷が結構存在するんだね? 歴史的には王都が広がり始めたのは、そんなに昔からってワケじゃないのに……?」
そうか……ルディーさんは知らないのか。

「その現象はグランバニアでは当たり前の事なんですよ」
「……当たり前? どう言う事だい?」
グランバニアで義務教育を受けていれば当然の知識なんだ。

「リュカ様がグランバニアを発展させるにあたって、若手の育成を最優先に考えられたんです。その為に“その年に6歳になる者から、その年に15歳になる者”が対象で、完全無料の学校を作り通わせる事が義務になる……義務教育法を施行したんです」
「流石はリュカ様だ。考えつくのも凄いが実行しちゃうからもっと凄い」

「俺もそう思います。そういう所が格好いいですよね。で、まぁ……考えて実行するのは良かったんですけど、何をするにも金がかかる……学校
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