敵ではないです
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もう最後は何を言ってるのか聞き取れないくらい小声。
見た目(衣装や容姿)とは裏腹に、かなりの恥ずかしがり屋だと見受けられる。
だとしたら、せめてもっと大人しい衣装を着れば良いのに?
「伯母さん! デボラ伯母さん! 出てきて下さい。ご紹介したい人が居ますから!」
まだ誰か居るのだろうか?
いや、ワザワザ大声で読んでいるのだろうから、空屋敷内には居るのだろう。
ルディーさんの声につられて俺も出入り口に目を向ける。
「うるさいわね、寒いってのに! 誰よ? ここには私達しか居ないはずでしょ!? あの金髪の若造がそう言ってたじゃない!」
「世の中には“偶然”や“不可抗力”ってモノが存在するんですよ。ウルフ閣下にだって予測なんて出来ませんよ」
そんな遣り取りをしながら出てきたのは……これまた凄い格好の女性だ。
年齢は……若く見えるが俺の母より上かなぁ? でも紛れもない美女だ!
やはり黒を基調とした服装で、名前は分からないけどノースリーブの胸元が大きく開いた服に、ジャラジャラと装飾品が巻き付きまくってるミニスカート。
手首・足首は当たり前……
指の先や、多分お臍も着飾っている完全武装状態。
顔は絶世の美女だが俺の出現が気に入らないのか、それとも笑顔という概念が存在しないのか、終始不機嫌そうな顔を向けてくる。
「ゴメンねピパン君(笑) こちらの女性は僕の叔母……母の姉の“デボラ”伯母さんだ。このデイジーの母親でもある」
「……で? こいつは何なのよ!」
初冬とはいえかなりの薄着状態だが、そんな事は感じさせず腕を組んで見下ろす様に俺をにらみつけ質問。
「はぁ……彼はピパン君。ピパン・ハンター……軍務大臣閣下のご子息です。お母様は元国務大臣のオジロン閣下の娘さんです」
「……って事は、こいつもリュカの血縁!? 冗談じゃないわ、帰りなさいよ!」
如何言う人物なんだ、この女性は?
突然『帰れ』と言われ、当人はまた屋敷内に入ってしまった。
ってか、リュカ様に敵意を向ける女性(特に美女)って初めて見た。
「ゴメンねぇ。伯母さんはああいう人でさ……まぁデイジーだけでもよろしく」
「……はぁ。あ、初めましてデイジーさん。俺はピパンと申します。どうぞよろしく」
母親の方に圧倒されてしまったが、気を取り直して美人の娘さんに近付き挨拶をした。
「ど……どうm……」
だが近付き過ぎたのか驚いて余計にルディーさんの後ろに隠れてしまう。
しまったな……リュカ様にもっと女性との接し方を学ばせて貰えば良かった。
「所で君は如何したんだい? もう学校は終わって、家に帰っていてもおかしくない時間だけど?」
「あぁ……それはですね……」
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俺は軽くだがここに居る経緯を伝えた
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