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リュカ伝の外伝
敵ではないです
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んでしまったドラム担当のアーノさんドラムステッキを購入した。

本当にヴォン・ジョミさんはいい人で、俺と父さんがプリ・ピー(プリンセス・ピープル)に嵌まり一緒にMG(マジカルギター)とドラムを練習してる事に協力してくれている。リュカ様が薦めるだけあっていい人度が半端ない。

入店した時も待っていたかの様に温かいコーヒーを出してくれて、初冬の寒さを労ってくれた。
だからつい店に長居をしてしまい、お喋りに花を咲かせてしまう
そして店の外を見れば、随分と日が傾いて来ている。

「おや、ピパン君。少しお喋りをし過ぎてしまった様だね……暗くなる前に子供は帰らないと」
「そうですね。目的のストラップと……まぁ(つい)でのドラムステッキも購入しましたし、今日は帰ろうと思います。温かいコーヒーも飲めましたしね、ごちそうさまでした(笑)」

購入した商品が梱包された紙袋を自分の学生用鞄に仕舞うと軽く頭を下げて店を出る。
風こそ無いが流石に寒さが厳しくなってきた。
本格的に暗くなる前に帰るのが妥当だろう。

俺は楽器店がある裏路地から魔道人員輸送車(バス)停がある表通りへと歩き始めた。
しかし途中の空き屋敷で声(大きなクシャミ)が聞こえてきて足を止める。
この空き屋敷は有名……だけど人が住んでいるとは訊いた事が無い。

「ほらぁ……冬にそんな格好をしてるからですよ。鼻水を拭いて下さい」
クシャミの声は女性だったが、今度はそのクシャミ声の人に対しての声が聞こえた……しかも知っている声だな。
誰なのかと思い、少しだけ空いている空き屋敷の門の隙間から中を覗いてみる。

そこに居たのは……ルディーさん!?
何時も通りに綺麗な身嗜みをしており、そこはかとなく優しげな雰囲気を醸し出してくるお兄さんだ。
俺や父さんと同じでプリ・ピー(プリンセス・ピープル)推しの人。

実はサラボナ通商連合のトップである“ルドマン最高商評議会議長”のお孫さん。
その関連でリュカ様とも縁を持ってるし、父さんも知己を得ている。
因みに……と言うか当然だが、空き屋敷には他数名が何かしていた。

だが兎も角も俺は「ルディーさん?」と声をかけていた。
まぁ当然だよね。
他の人達には面識ないし名前も呼べないからね。

しかし俺の声に素早く反応したのはルディーさんではなく、一緒に居る男性と女性だった。
男性は所謂“執事”みたいな格好してる40代半ばの男……
女性はそのまま“メイド服”を着ている30歳前後の女……

だが間違いなくこの二人はボディーガードだろう。
俺が声をかけた瞬間に身構え、男の方は着ているロングコートの背面側に隠してるショートソード(と思われる)武器に手をかけた。

女の方も素早く空き屋敷の入り口へ向かい、声のし
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